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THE LADY IN THE BALCONY: Lockdown Sessions
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Eric Clapton(Guit, Voc), Chris Stainton(Key)
Nathan East(Bass, Voc), Steve Gadd(Dr)
MERCURY/3847252(CD, BD)





エリック・クラプトンは有名なギタリストですが、スーパーマンではありません(それは「クリプトン星人」)。
彼が今年の春に予定していたヨーロッパ・ツアーが、コロナのために中止になってしまいました。そこで目を付けたのが、イギリスのサウス・サセックスに広がる田園地帯の中の、1875年に建てられた「カウドレー・ハウス」という古い建物です。そこには、まるで教会のようなステンドグラスで飾られた広いホールがありました。そこに楽器や録音機材を運び込み、床には厚手のペルシャ絨毯を敷いて、そこにクラプトンたちが集まってセッションが繰り広げられることになったのです。
そこではレコーディングと並行して、映画も撮影されていました。そして、CDとLPがリリースされた時には、同時にその89分の劇場用の映画を77分に編集したDVDやBDも作られ、それぞれを組み合わせたいくつかの商品が登場していました。その中のCDとBDのセットは、国内盤だと6600円もするものが、輸入盤だとマルチバイ適用で2000円台になっていたので、それを購入しました。
メンバーはクラプトンの他に、キーボードのクリス・ステイントン、ベースのネイザン・イースト、そしてドラムスのスティーヴ・ガッドです。いずれも、長年クラプトンと一緒に音楽を作ってきた盟友たちですね。
この中で、注目したのはスティーヴ・ガッドです。かつて数限りないアーティストとの共演で、星の数ほどのアルバムを作ってきた、文字通り伝説のドラマーですが、まだ健在だったのですね。ただ、BDでその映像を見ると、その表情は明らかに老人のもので、なんだか眼の光もぼんやりしているような感じでした。しかし、演奏が始まると、それは単にリズムをキープするだけではなく、そこからは的確な音色と、さらにはメロディさえも漂ってくるという、紛れもないあのガッドのドラムスでした。実際は、彼は「まだ」76歳で、クラプトンと同じ年だったのですね。「ブラック・マジック・ウーマン」では、スティックを使わず指でスネアを叩いて、まるでボンゴのような味を出していましたね。
それよりも10歳ほど年下のベースのイーストは、ウッド・ベースと、5弦のセミアコのベースを持ち替えて、さらにはクラプトンの歌にハーモニーを付けたり、合いの手を入れたりと、ソフトな声のヴォーカリストとしての一面も見せてくれました。
キーボードのステイントンは、クラプトンより1つ年上ですが、風貌はメンバーの中では最も若く見えます。ヤマハの電子ピアノとシンセを駆使して、やや控えめなサポートですが、時折珠玉のようなソロを披露してくれています。「レイラ」のソロでは、シンセでまるでスティール・ギターのボトルネック奏法みたいなフレーズを聴かせてくれましたね。
その「レイラ」、普通に聴いているバージョンとはアレンジが変わっていて、イントロの有名な「ラドレファレドレー」というフレーズが入っていませんし、リズムももっとのどかなものになっていました。ところが、クラプトンは最後のギターでさりげなくそのフレーズを弾いているのですよ。なんとも和みます。
ずっとアコースティック・ギターで演奏していたので最後までそれで行くのかと思っていたら、やおら後ろに立ててあったギブソンのセミアコを取り出して、アンプを使ってお得意のブルースを3曲聴かせてくれました。最後の「モジョ・ワーキング」では、ガッドとステイントンもコーラスに加わって、盛り上がっていましたね。
ブックレットの写真を見ると、映像とは違う服装で演奏しているものがあります。ここには録音日は明記されていませんが、おそらく本番に向けて何度もリハーサルを繰り返していたのでしょうね。
曲の間で、この建物の中や、まわりの自然の風景が映し出されます。その中でヒビが入ってもうカビが生えているような年輪が映し出されていました。それはとても味のあるカット、なんか、彼らの演奏と呼応しているような気がしました。

CD & BD Artwork © Mercury Studios Media

by jurassic_oyaji | 2021-12-11 20:31 | ポップス | Comments(0)