おやぢの部屋2
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アルトフルートはパール
 今日は丸一日フリーだったので、ずっとこもって「かいほうげん」を作っていました。タイミングよく、お願いしていた原稿が送られてきたので、それを編集、レイアウトして紙面を作るという作業です。前もってどのぐらいの長さなのか聞いていたので、それに合わせて3ページを開けておいたのですが、そこにピッタリ収まるサイズでした。これで、ほぼ全16ページが完成しましたから、楽々来週には発行できますね。
 そんな時に、鈴木磨郎さんがお亡くなりになったというご連絡が入りました。私たちは「磨郎先生」とお呼びしていたのですが、かつては東北大学の加齢医学研究所の所長を務められた、本当の「先生」です。学生時代からフルーティストとして活躍されていて、大学オーケストラの同窓会長のようなものも務められていたはずです。
 その先生との接点が、私の場合は「仙台フルートの会」という所でした。私がニューフィルに入った直後ぐらいに、さる仙台のフルーティストでマネージメントなどを行っていた方がヤマハ仙台店を巻き込んで立ち上げた団体で、私は発足当時から参加していました。毎年、フェスティバルを開催していましたね。そこでは、自分たちの演奏だけではなく、プロのフルーティストを呼んでのミニ・リサイタルなども一緒に行っていました。
 途中でヤマハが手を引き、純然たるアマチュアの団体になっても、仙台フィルのメンバーの方々は「顧問」という形で加わっていましたね。そのあたりで、会長として参加されることになったのが磨郎先生でした。先生は、フェスティバルでは、それまではフルートだけのアンサンブルの曲を演奏していたものを、チェロやコントラバス、さらにはフルート以外の管楽器も集めて、普通のオーケストラのレパートリーのヴァイオリンとヴィオラのパートをフルートとアルトフルートで演奏する、というスタイルで、毎年、モーツァルトやベートーヴェンの交響曲を、もちろん磨郎先生の編曲で演奏していました。
 神戸に住んでいる私の叔母夫婦が、ともに磨郎先生の同級生でした。一度、フルートの会の練習がある日に仙台に来てたので、サプライズでお二人を練習場に連れて行ったこともありました。
 一方、フルートの会は私の職場で毎年行われていた野外コンサートにも、定期的に参加してくれていたのですが、そこでもほとんど先生が指揮をなさっていましたね。その時に、お客さんが撮ったビデオが、ローカルニュースで流れたこともありました。
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 私のパートは、いつもアルトフルートでしたね。
 ただ、そんな活動も、次第に参加者が減ってきて、2011年の震災の年にはフェスティバルでは顧問の先生たちの生徒さんが多量にエキストラに加わってやっと形を整える、というような状況になってしまったので、もはやそのような表立った活動は出来なくなり、私もすっかり足が遠のきました。
 その前の2007年の東北大学の100周年記念式典のために合唱団のOBとして「第9」を歌ったときには、オーケストラと合唱団(いずれも、東北大学の団体)の合同の打ち上げがホテルで行われたのですが、その時に先生はオーケストラのOBの代表としてご挨拶を述べられていました。
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 実は、私の合唱団のOBには、同期のFさんという方が参加されていたのですが、彼は医学部で、後に先生と同じ加齢医学研究所の所長になっていました。私が磨郎先生にあいさつしようと思って近づいていくと、そのFさんも先生のところにやってきました。Fさんにしてみれば、なぜ私が先生の知り合いなのか不思議に思ったでしょうね。そうしたら、先生は私のことを「彼は私の一番大切な、仲間です」と、Fさんに紹介してくれたのですよ。なんか、とてもうれしかったですね。
 最近はフルートを吹かれることもなくなった、というような噂を聞いていた矢先の訃報です。心からお悔やみ申し上げます。
 訃報が届いたころには、もう葬儀はご家族のみで済まされた後でした。今のご時世は、懐かしい人との最後のお別れさえもままならないようになっているのですね。でも、ご自宅に伺って弔問されてきたという方が、FacebookにQRコードをアップしていたので、それを開いてみると、そこには「喪主挨拶」をフィーチャーしたメモリアル・ビデオが入っていました。最近は、そんな状況なので、葬儀屋さんもこんなサービスを考えるようになっていたのですね。
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 期間限定ですが、こちらから奥様のメッセージをご覧になることができます。
 コロナが収まったころには、「磨郎先生を偲ぶ会」のようなものが開かれるのでしょうか。もし開かれるようでしたら、私はアルトフルートを携えて駆けつけるつもりです。
by jurassic_oyaji | 2022-01-23 21:43 | 禁断 | Comments(0)