以前、
こちらで「EP」についてのことを書きましたが、それを今度の「かいほうげん」に転載しようと編集しているところです。丸ごとコピペをすれば出来てしまうので簡単だったはずなのに、その後色々調べてみると、もっと新しいことが分かったりしてきたので、大幅に改訂しなければいけなくなってしまいました。
まずは、私はこの「EP」というものを実際に手にしたことはなかったので、一度はどこかで入手しようと思っていました。それで、中古レコード屋さんに行けば、その現物が置いてあるのではないか、と考えて、一番手近な「仙台レコードライブラリー」に行ってみたのです。かつては市役所のそばでCDなども扱っていましたが、今では二日町に移転し、完全に中古レコード専門店になっているところです。最近ではクラシックだけではなく、ジャズやポップスも扱っているようなので、もしかしたらEPも置いてあるかもしれませんからね。
お店に入ってみると、すぐのところにシングル盤を集めたコーナーがありました。でも、それはみんなただのシングル盤のようでしたから、店長さんに「EPは置いてないんですか?」と聞いてみたら、「そこにある分だけですね」とそっけなく答えたので、やはりもうあんな珍しいものは置いてないのだな、と思い、せっかく来たので何か出物はないか、棚をチェックしていました。
そうしたら、さっきの店長さんが「こんなのならありますけど~」と、奥の方から箱一杯に7インチ盤を入れて持ってきましたよ。「多分、シングル盤でしょうけど」と言ってますが、手に取ってみると、それは紛れもないEPでした。全部クラシックです。
まずはこんなEMI盤です。
しっかり「EXTENDED PLAY」の文字がありますね。
レーベルにも、同じ文字があります。片面に歌が2曲入っているようですね。
さらに、こんなレーベルのものまでありました。
ARCHIVですよ。あそこがEPを作っていたなんて、初めて知りました。
さらに、こんなデータ・カードまで、しっかり残っていました。さすがARCHIV。全部で9曲も入っているんですね。両面でしっかり16分入っています。。おそらく、発売された当時は日本では手に入れることは出来なかったのではないでしょうか。
こんなのが、1枚どれでも500円ですって。店長さんの話だと、外国から中古LPを箱で買うと、おまけのようにしてこんなEPが付いてくるんですって。
というわけで、いとも簡単にEPを入手することが出来ました。ただ、前のブログ記事では、ビルボードの英語の記事を読んで、「レコード面の突起をなくして、そこに溝を切った」というようなことが書いてあったので、それをそのまま書いたのですが、実際のEPでは、レーベルの大きさはシングル盤と全く変わっていませんでした。
これが、シングル盤ですね。確かに、レーベルの大きさ、ひいては、レーベルの縁の突起の部分の場所はEPと変わりません。それを確かめるために、実物のEPを入手しようと思っていたのに、違うじゃないですか。
ただ、これは3分ぐらいの曲ですから、レーベルの近くまで溝を切ってもやはり5分ぐらいしか入らないだろうな、という気はするのですが、上のEPの溝でも、まだレーベルまでの間には隙間がありますよね。
そこで、元の英文を読み返してみると、「突起」だと思っていた単語は、どうやら盤面ではなく、溝のことのように思えてきました。それを「薄くする」ということは、あまり深く切らないで、溝の幅を細くすることなのではないか、と。そうすることによって、同じ面積でも溝の本数が増えて結局録音時間も長くなる、ということだったのでしょうね。
結局、上の2枚だけを買ってきましたが、その「箱」の中にはこの2つのレーベルの外にDGとかTELEFUKNENなどのヨーロッパのレーベルの物がいっぱい入っていましたね。「EPはドイツで作られた」と書いてある古い文献もどこかで見たことがあります。もちろんそれは間違いですが、ある時期ヨーロッパではアメリカ以上にクラシックのEPが作られていたのでは、という気がしてきました。ただ、音質的には到底LPには太刀打ちできないようですけどね。
そもそも、日本ではEPは作られていたのか、という疑問も、まだ解消できてはいません。ご存知の方は、どうかご教授を。
(11/22追記)
その後、ネットで検索したら、日本で作られたEPの画像がいくつか見つかりました。いずれも、開発者であるVICTORの子会社だった日本ビクターの製品です。少なくとも、1958年から、ステレオ初期の1960年代ごろまでは製造されていたようですね。ただ、他のメーカーのものは見つかりませんでした。
(11/30追記)
(2023/4/3追記)