おやぢの部屋2
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山本山
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 「朝青龍」が、今世間を賑わしていますね。私は昔からこの力士は大嫌いでした。別に「国技」だから日本人以外の横綱は認めない、などというような狭量なものではなく、彼の相撲がひたすら美しくないものに終始していることへの嫌悪感がそうさせたのですが。ですから、今回の「事件」は起こるべくして起こったもの、相撲協会はいっそのこと彼をクビにしたらよかったのに、と、思っているところです。
 それにつけても、そのあとに俄に注目の人となったのが朝青龍の師匠、高砂親方だったというのも、なかなか興味深いところです。この親方は一度見たら決して忘れられないほどのユニークな顔立ちをしていますが、現役の時の四股名は「長岡」、後には師匠である先々代の高砂親方の四股名「朝潮」を襲名しました。その前に「朝汐」と名乗っていたこともありましたね。
 この朝汐、改め朝潮は、その独特のキャラクターでいろいろな意味で人気がありました。なんと言っても、あの天才いしいひさいちが、彼を主人公にした作品「ワイはアサシオや」を発表したことからも、その人気はうかがい知ることが出来ます。もちろん、これはあくまでマンガとしてのキャラクターですから、本人自身はここに描かれているほどのひどい人格ではなかったはずです。しかし、この作品の中でたびたび描かれている彼と親方(つまり、先代朝潮)との確執は、彼が親方になった時の弟子である朝青龍との間に生まれたであろうものと非常に良く似たものに思えるのは、単なる思い過ごしでしょうか。いしいひさいちが今の「アサシオ」の姿を予測していたのであれば、これはちょっとすごいことではないでしょうか。なにしろ天才ですから、それはあり得ないことではありませんよ。
 そのいしいひさいちが朝日新聞の朝刊に連載マンガを書くようになって、一体何年経ったことでしょう。「やまだくん」時代から全ての作品に接してきた私としては、これほどまでにクオリティの高いものを毎日毎日書き続けるなどということは、まさに奇跡としか思えないのですが、どうでしょう。もちろん、それなりにスランプを感じさせられる時もありましたが、今ではすっかりそれも乗り越え、凡人などを超越した境地で力の抜けたものを作り続けられるようになっていると、改めて尊敬の念を深めているところです。
 同じ朝日新聞でも、夕刊に載っているしりあがり寿の作品があまりにもつまらないので、その思いはさらに深いものとなります。この人、出足こそは確かにユニークな味を出した見所のあるものを書いてはいました。しかし、いつの頃からか、目に見えてその質は低下していって、今では見ることもはばかれるほどの情けないものに成り下がっています。1つの人並みの才能が、新聞連載という過酷な条件の中で完璧につぶされてしまった姿を、そこに見ることは出来ないでしょうか。
 実は、このあたりでは河北新報ですが、同じような多くの地方紙で最近連載が始まったのが、さくらももこの「ちびまるこちゃん」だと知って、ちょっと驚いているところです。一部のものを読んでみましたが、本当につまらないものでした。そもそも彼女には4コマなど無理なのでは。なぜこんなリスクの多い仕事を引き受けたのか、理解に苦しみます。
by jurassic_oyaji | 2007-08-12 21:26 | 禁断 | Comments(0)