おやぢの部屋2
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ALWAYS
 「ALWAYS 続・三丁目の夕日」を見てきました。前作があれ程の完成度を見せていたのですから、当然その続作は大きなハンデを背負うことになります。しかし、出来上がったものはそんな気負いなど全く見えない前作と同じ世界、淡々と描かれたあの時代には、さらに涙腺を刺激するものがてんこ盛りでした。
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 まず、スタッフ、キャストは前作と全く同じというのですから、ちょっとすごいものがあります。中でも、子役が、あれから2年経っていますから、果たしてどうなるのかと思いましたが、ギリギリでセーフ、淳之介くんの声がちょっと変わってきたかな、ぐらい、おそらく、2年後に同じキャストを組むのは無理でしょう。その代わり、新しく登場した「ミカちゃん」がなかなかでした。原作に出てくるミカちゃんのイメージそのものなのですよ。最初はタカビーだったものが、次第にお手伝いなども進んでやるようなお利口な子になったのには、平田満でなくてもウルウルです。
 前作ではオープニングですっかり引き込まれてしまいましたが、今回は全く別のやり方でインパクトを与えてくれました。ネタバレ(もうすでに出してしまいましたが)を避けるために、極力詳細は控えますが、これこそ白組の本領発揮というとんでもないキャラクターが、まず大暴れしてくれました。
 ストーリーは竜之介を中心に進んでいきます。川渕社長が淳之介くんを引き取りたいとやってくるのはある程度予想された展開、その社長がらみで出てくるのが、あのころの国際空港、羽田です。実は私は、この頃実際にこの空港へ行ったことがあるので、懐かしさもひとしおです。そう、あの手すり越しに、父親の乗ったJALを見送ったのですよ。そして、そこにいるのがなんとJALの「DC4」ではありませんか。もちろんCGですが、なんというリアルさでしょう。そのプロペラ機が、実際にアメリカへ向けて飛びだつのですから、すごいものです。もっとも、このDC4は国内線にしか使われなかったそうですから、それに乗って「アメリカへ商談」へ行くというのはおかしいのでは、と突っ込まれそう。
 CGといえば、数寄屋橋の日劇と朝日新聞社もすごいものでした。東京駅も、もちろん昔の姿、そして、今回の主役、日本橋です。橋の上を都電が走っているだけという、今の姿からは想像も出来ない質素なたたずまい、「この上を、高速道路が走るんだぜ」という一平くんの言葉によって、それからこの場所が、そして東京が、いや日本全体が完膚無きまでに変わってしまうことを予言させているというのが、今回込められた最大のメッセージでしょうか。それは、アクマ先生がもう一度狸に化かしてもらおうと焼き鳥をかざして狸を呼び出そうとしている(と書いているだけで、涙目になる私、なんと良くできた設定でしょう)空き地が、いつの間にか建設現場に変わっていたというシーンともリンクしています。今回の「夕日」は、心なしか精彩がありません。それは、この幸せな世界がやがて消え去ってしまう日を暗示しているように見えて、仕方がありません。
 前作同様の号泣ジェットコースター、ティッシュやハンカチのご用意はお忘れなく。
by jurassic_oyaji | 2007-11-11 21:00 | 禁断 | Comments(0)