おやぢの部屋2
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2014年 01月 27日 ( 2 )
IMAX 3D
 「大人の休日パス」第2弾は、映画を見るためだけに往復新幹線を使う、というミッションでした。というか、そもそもそっちの方が今回のパスを買おうと思った動機なわけでして、「サバの塩焼き」の方がオマケだったんですけどね。「映画なんか、新幹線を使わなくても仙台市内で見れるではないか」とおっしゃるかもしれませんが、私が見たかったのは仙台では絶対に見ることのできない映画なのでした。いや、「映画」そのものはMOVIXでも109でも、チネ・ラビータでもやっていますが、そういう標準スクリーンではなく、「IMAX 3D」でぜひ見て見たかったのですよ。このシステムの映画が上映可能な映画館は、宮城県はおろか東北地方には全くありません。一番近いのが浦和にある「ユナイテッドシネマ浦和」なんですよね。ここだったら、新幹線を使えば大宮まで1時間、そのあとは宇都宮線や湘南新宿ラインを使えば7分で着いてしまいます。京浜東北線でも9分ですからね。
 実は、最近までIMAXに関しては「かつて存在していたけれど、今ではもはや国内には上映劇場がなくなってしまった」形態のシステムだと思っていました。しかし、いつの間にか、おそらくデジタル化と3Dの波で息を吹き返していたのですね。私は品川で初めてアナログのIMAX 3Dを見て、度肝を抜かれた思い出がありますから、この方式自体のすごさは身を持って体験しています。それが「ゼロ・グラビティ」で見られると知って、これは絶対に見たい、と思ったのですよ。そうなんです、確かにこれはMOVIX仙台で見てものすごい映画だとは思ったのですが、IMAXであれば、間違いなく、あの壮大な世界はさらに実体を伴ったものとして感じることが出来るはずだと、確信しました。
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 ユナイテッドシネマ浦和は、浦和駅の東口に、2007年にオープンした「浦和パルコ」の6階にあります。浦和駅そのものが、昔のイメージは残っていなくて、リニューアル工事の真っ最中でしたが、その東口の真ん前にそのパルコがありました。壁には「ゼロ・グラビティ」のポスターが。ただ、なんか閑散としていて、正直「田舎のスーパー」といった感じがしたのはなぜでしょう。これだったら仙台のパルコの方がよっぽど「都会的」ですね。でも、映画館は広々としたロビーや落ち着いたスクリーンなど、間違いなく「都会的」なたたずまいです。このギャップは一体何なのでしょう。椅子もゆったりしていて、肘かけがかなり太くて、隣の人の腕が全く邪魔にならないほどのスペースがあるのには感激しました。ただ、カップホルダーが、MOVIXあたりだとどちら側のが自分のものかはっきり分かるようになっているのに、ここにはそういう案内が一切ありません。これは、へたをするとドリンクの置き場をめぐって隣の人と喧嘩になりかねない設計ですよ。もっとひどいのは、私は食事をする暇がなかったので、トレイに乗せたホットドッグを買って持って行ったのですが、それをカップホルダーに置くことが出来ないのですね。これも、MOVIXでは当たり前のように置けたのに。結局、膝の上に置いて食べて、終わったら椅子の下にしまいましたが、それが正しいやり方だったのかは分かりません。
 なぜ時間がなかったのかというと、ちょっと半端だったので、同じスクリーンで上映される別の映画を、「ゼロ・グラビティ」の前のコマで見ることになってしまったからです。それは「エンダーのゲーム」。原作は読んでませんが、いかにもディズニー風に作られたノーテンキな宇宙戦争ものです。正直、この結末には全然納得できずに、後味の悪さだけが残ってしまいましたが、それを助長してくれたのが、音響のあまりのひどさです。それは、IMAXの大スクリーンに呼応した大迫力を目指したサウンドシステムを、変な意味で信じ切ってその結果完全な「勘違い」を犯してしまった録音スタッフの耳の悪さを露呈したものです。なにしろ、低音のバランスが強すぎて、セリフすらもとても人間の声とは思えないようなものになってしまっていますし、その分高音が完全に頭打ちになっていて、もう逃げ出したくなるような不快な音になっています。
 もしかしたら、これはこのスクリーンの音響システムのせいなのかな、と、ちょっと暗澹たる気持ちになったのですが、1度外に出て、本命の「ゼロ・グラビティ」になったら、見違えるような音だったので一安心。確かに、高音の繊細さなどは「バルト9」あたりには負けますが、今まで聴いていたのとは別物の「ちゃんとした」音でした。というか、こうなると音楽を作った人の志、もっと言えば映画を作った人の志の違いがそのまま音響に反映されていたのでは、などと思えてしまいます。こちらは音楽そのものも「エンダー」とは比べ物にならないぐらいていねいにつくられたものでしたし。
 そして、画面はまさに期待通り、MOVIXで見たのは一体何だったのか、という、情報量がまるで違う、これも「別物」の画面でした。すごかったのは、ヘルメット越しに宇宙空間を眺めている、というショット。ヘルメット内の反射など、こんなの初めて見たような気がします。あと、空中に漂っていた水滴が涙だったことも、初めて気付きました。存分に楽しめましたよ。
 「ヤク」のおかげで、こんな大画面をずっと見続けていたのに、ほとんど目の疲れを感じませんでした。前は、次の日には頭痛がしたりしてたのですが、それもありません。「ヤク」なしでも、こんな体調でいられるようになるといいのですが。なんだか、副作用もあるみたいですし。
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by jurassic_oyaji | 2014-01-27 22:58 | 禁断 | Comments(0)
BIZET/Docteur Miracle
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Marie-Bénédicte Souquet, Isabelle Druet(Sop)
Jérôme Billy(Ten), Pierre-Yves Pruvot(Bar)
Samuel Jean/
Orchestre Lyrique de Re()gion Avignon Provance
TIMPANI/1C1204




クセナキスのオーケストラ作品の全集はなかなか先に進まないで立ち消えになりそうな気配のTIMPANIレーベルですが、本来の役割であるフランスの隠れた作品の紹介ではまだまだ頑張っているようです。しばらく新譜を見かけないなと思っていたら、どうやら日本の代理店が替わったみたいですね。そのためにリリースが滞っていたのでしょう。
そこで、新しく代理店になったのが、ナクソス・ジャパンなのだそうです。ここは、自社製品でなくてもしっかり帯解説を付けてくれたりしていますから、これにも期待したのですが、あいにくなにもありませんでした。そこまでは手が回らなかったのでしょうか。
この「ミラクル博士」というのは、ビゼーが18歳の時に作ったという「オペレッタ」、あるいはフランスですので「オペラ・コミーク」と言われるジャンルの作品です。まあ、ビゼー晩年(といっても36歳)の有名な「オペラ」である「カルメン」も実は「オペラ・コミーク」なのですが、物語の内容も音楽のスケールも、大きく異なっています。すでに録音もありますし、実際に日本で上演されたこともありますが、おそらく今まで普通に聴かれたことはまずない、極めて珍しい作品です。
そんな珍しいものですから、この代理店が誇る「帯職人」の手によってせめてあらすじだけでも読めるようにしてほしかったなと、切に思います。
とりあえず、出演者は女性二人、男性二人の4人だけです。それは、地方の司法官(名前は明らかにされていません)とその妻ヴェロニク、その娘のロレット、そして、彼女が愛している兵士のシルヴィオ。ただ、ヴェロニクは今までに4人の夫と死別していて、現在の夫に対しても死んでくれることを望んでいるという、ちょっとアブナい人。ロレットも、義父からは別の男との結婚を迫られているという、問題を抱えた家族構成です。そこで、シルヴィオは醜いコックに変装して毒入りのオムレツを作って司法官に食べさせ、今度はどんな病気でも治せる「ミラクル博士」という、ラテン語しかしゃべれない医者に変装して現れ、最後はめでたくロレットと結婚するという、ドタバタ喜劇なのでしょう。
音楽は、その前の年に作られたハ長調の交響曲のような、古典的なテイストに包まれています。全体的になんか「小さくまとまっている」という感じがしますね。序曲からして、ある意味荒唐無稽な物語にしてはきっちりと作られていますし、途中で短調に変わるなど「深み」を演出する意図は感じられます。その中で、のべつトライアングルのにぎやかなロールを鳴らし続けているのは、「喜劇」としての軽さを演出したいという気持ちの表れなのでしょうが、変に浮き上がって全体の方向性が散漫になってしまっています。
地のセリフを入れても、全体で1時間ちょっとという非常にコンパクトな作品ですので、気軽に楽しむことはできるでしょう。「アリア」とは言えないほどの素朴なソロ・ナンバーもありますが、メインはアンサンブル、軽妙なやり取りが、とてもあっさりした音楽によってすんなり入ってきます。最後あたりの、オムレツを食べるシーンでの「オムレツの四重唱」などは、笑いのツボをしっかり押さえていてほほえましく感じられます。
4人の歌手はそれぞれに魅力的ですが、シルヴィオ役のテノールの人は、もっと伸びやかな歌い方だとさらに魅力が増したのではないでしょうか。その人の演じているニセ医者がタイトルになっているのですが、これを「ミラクル博士」と訳してしまうと、なんだか近未来のマッド・サイエンティストの物語のように思えてしまいませんか?これからは、そのまま「ドクター・ミラクル」と呼んだ方がいいと思いま~す!
幕開けの三重唱の中で、一瞬「ハバネラ」の断片が聴こえてきたのにはびっくりしました。こんなところに「カルメン」の萌芽があったなんて。


CD Artwork © Timpani
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by jurassic_oyaji | 2014-01-27 00:18 | オペラ | Comments(0)