おやぢの部屋2
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2018年 03月 01日 ( 2 )
楽器博士 佐伯茂樹がガイドする オーケストラ楽器の仕組みとルーツ
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音楽の友編
音楽之友社刊(ONTOMO MOOK)
ISBN978‐4‐276-96278-1


「ONTOMO MOOK」と言えば、かつては全て書き下ろしの原稿を使って作られていたような気がします。カラヤンの全ディスコグラフィーや、すべてのコンサートのデータまで収録されていたという、ものすごいものもありましたね。
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それから、何度か刊行されたオーケストラや指揮者に関する膨大なリストも、ある一定の時期の世界のオーケストラ事情が的確に反映されているものとして、未だに「資料」としての価値を失うことはありません。
ただ、最近は、この出版社が発行している雑誌が、目に見えてページ数が減っているように感じられます。もしかしたら、それはこの出版社自体の体力が次第に弱ってきているせいなのかもしれませんね。
ですから、このムックにしても、かつてのような勢いが失われて、以前雑誌に掲載されていたものを、特定のテーマに沿って集めて一つの本にするというような、まあCDで言えば「コンピレーション」のような手法によって作られるものが非常に多くなっているな、という印象を強く受けるのですね。これであれば、一度発表されたものをそのまま使えますから、経費も手間もかかりませんからね。
ただ、そのようなネガティブな側面だけではなく、雑誌に長期で連載されたものなどをまとめたものでは、通常はその雑誌に目を通すことが無いような人に対してはとても親切なものが出来上がるかもしれません。
今回のムックが、まさにそのようなものです。ここでは佐伯茂樹さんが「音楽の友」という雑誌に2年半にわたって連載していたコラムを、まとめて読むことが出来ます。
正直、この「音楽の友」も、同じ出版社から刊行されている「レコード芸術」(これが、先ほどのページ数がみるみる少なくなっている雑誌)も、毎月購入するような習慣はとうの昔になくなっていました。こういう本はあまりに内容が薄いので、とてもお金を出して読むだけの価値が見出せないのですね。
とは言っても、ごくたまに本屋さんで流し読みをしていると、中にはちょっと目を引くような読み物に出会えることもあります。佐伯さんの連載が、そんなものでした。彼の著作はそのとことんマニアックな楽器の話で非常に魅力のあるものですから愛読していますが、それは主に管楽器に対する知識が膨大だという点での魅力でした。ですから、そのような興味とはちょっと離れたところにある「音楽の友」での連載というのがちょっとミスマッチだったのですが、たまたま見かけた号で「キーボード・グロッケンシュピール」のことを語られていたのですよ。この楽器に関しては、かつてかなりのところまで調べたことがあったのですが、資料がなくて一部は分からないところが残ってしまっていました。佐伯さんのその記事は、そんな疑問点に見事に答えてくれていたのです。それは、彼に対するイメージが、単なる「管楽器オタク」から、「すべての楽器のオタク」に変わった瞬間でした。
それっきり、雑誌連載を読む機会はありませんでしたが、それが全て1冊にまとまってムックになったというのですから、これは買うしかないじゃないですか。そこには「楽器博士 佐伯茂樹」という、まさに彼にぴったりの肩書まで付いていましたからね。
しかし、確かに、「マリンバ」と「シロフォン」との違いについての記述では、あの「キーボード・グロッケンシュピール」と同等のサプライズを与えてもらえましたが、それ以外の大部分はこれまで別のところで読んできたことの焼き直しだったのには、軽い失望感を覚えてしまいました。
それと、連載にはなかった、まさに「書き下ろし」のフルートとバセットホルンの話が巻頭に追加されているのは良いのですが、そこに使われている歴史的フルートの写真のあまりの解像度の低さには、もろに、この本を作るスタッフの熱意のなさを感じてしまいました。

Book Artwork © Ongaku No Tomo Sha Corp.

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by jurassic_oyaji | 2018-03-01 20:57 | 書籍 | Comments(0)
ヨハン・シュトラウスとマーラーです
 この間までかかりきりになっていた新しい「かいほうげん」のコンテンツをこちらにアップし終えたところです。実は、他にも同じように「かいほうげん」のために書いたもので、アップしなければいけないものがあるのですが、そこまで手が回らなかったので、それは後日、ということで。
 こんな感じで、このところまとまった原稿を書く機会が多くなっています。しばらくこういうことをやっていなかったので、その反動で書きたいものが増えてきたのでしょうかね。
 これは、自主的に書こうと思ったものですが、それ以外に「頼まれて」書いているものもあります。まずは、もう本番まで1ヶ月を切ってしまった「杜の都 合奏団」のためのプログラム・ノーツの執筆です。今回が本当に最後ということで、マエストロも張り切ってプログラムを今までの4ページから倍増の8ページにしたいとおっしゃっていますから、自動的に私のページも増えて、今回は3ページ分の原稿を頼まれてしまいましたよ。
 とてもそんなに書く自信はなかったので、なんとか余白を増やしたり行間を広げたりしてノルマを果たそうと最初は思っていたのですが、書き始めてみるといつもの通り書くことがどんどん増えていって、結局今までと同じ書式で楽々3ページ分の原稿が出来上がってしまいました。
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 これには、自分でも驚いているところ。そもそもマーラーに関してはあまり詳しくはないので、この再勉強してみようとこの間の「5番」の時に買い込んだ資料をとことん読み倒して、私なりに再構築していたら、そのぐらいになってしまったのですね。なにもないところから生み出すわけにはいかないので、こういう知識を他人に頼ることは絶対必要だと実感しています。
 一応は書き上げたのですが、これはまだまだ納品できるクオリティにはなっていないので、これからしっかり校正をおこなって、今週中には脱稿したいと思っているところですが、どうなることでしょうか。
 ただ、そんなにこれだけに構っているわけにはいきません。その次の「仕事」も控えているんですよね。さっきの「かいほうげん」への記事は、団員のための参考資料として書いたのですが、それを見たプログラム係が、私にニューフィルのプログラムにも「禿山」の解説を書いてほしいと言ってきたのですよ。まあ、うすうす予想はしていたのですがね。最近はこちらの方には書いていなかったので、これは「スプリングコンサート」で「カルメン」の解説を書いて以来になるのでしょうか。こちらも、締め切りにはまだ日数がかなりありますから、「おもしろくてためになる」原稿をかいてやろうじゃないですか。
 ところで、その定期演奏会のメディア関係の告知も、前に送った企画書によって続々と寄せられています。その中に、今まであまり反応のなかった某新聞社からのものもあったのですが、そこから寄せられた相談として、「指揮者の名前の『廣』という字が使えないので『広』に変えてもよろしいでしょうか?」というのがありました。これには、目を疑いましたね。いまどきのメディアで、人の名前を本人の希望通りに印刷できないところがあるなんて。「櫻田」さんとか「渡邊」さんは、まともに自分の名前をこの新聞の紙上では見ることが出来ないんですね。一応「できないのなら仕方がありません」と答えておきましたが、こんなところが新聞社としてやっていけるのか、本気で心配になってきましたよ。確か、その新聞の名前はかつては「産經新聞」だったはずですが、メールでは「産経新聞」になっていましたね。
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by jurassic_oyaji | 2018-03-01 00:07 | 禁断 | Comments(0)