おやぢの部屋2
jurassic.exblog.jp
ブログトップ
2018年 03月 09日 ( 1 )
本当は「シンフォニック・ダンセズ」です
 今週の木管パート練習では、トレーナーのM先生がいらしてました。いつもながらの思わず目からうろこが落ちるようなレッスンでしたが、雑談の中で、「今度、学生オケでコントラ・ファゴットを吹くことになって・・・」という話になりました。何の曲だろうと思っていたら「シンフォニック・ダンス」というので、思わず、「コントラ、あるんですか?」と聞いてしまいましたよ。これは、もちろんバーンスタインが作った「ウェストサイド・ストーリー」からの抜粋で、ダンスナンバーを集めたアマオケにも人気のある組曲ですが、オリジナルのスコアにはコントラは入ってませんからね。でも、確かに、この曲にはコントラはありました。というか、編成がオリジナルとは全然違ってました。聴いた感じはそんなに違っていないんですけどね。
 そもそも、オリジナルはミュージカルですから、上演されるピットに合わせての少人数の編成になっています。木管は5人しかいませんし弦楽器もヴィオラはなし、ヴァイオリン7人のチェロ4人、コントラバス1人、全部で31人がフルメンバーです。それを、普通の16型のオーケストラで演奏するために書き換えたのですから、当然コントラも入ってきますね。調べてみたら、16型では92人必要なことが分かりました。ピット版の3倍ですね。
 「シンフォニック・ダンス」のスコアは持ってなかったですが、まあ、ニューフィルで演奏することはないだろうと買ってません。でも、出版元のサイトに行くと全部見られるんですね。前にここから直接買ったことがあったので、すぐログインが出来ました。それで、そんな人数も分かったというわけです。それで、ついでにいろいろ見てみると、このスコアは改訂版になっていることも分かりました。最初に出版されたのは1967年でしたが、このサイトで見られるのは1995年に改訂されているものでした。
 改訂と言われて一つ思い当たるのは、この中で一番有名な「マンボ」。その中で、ボンゴを除く全てのメンバーが「Mambo!」とシャウトしろ、という指示がありますね。
c0039487_22002593.jpg
 これは、最近まで私にとっては謎でした。この曲の最初の録音、作曲者が1961年にニューヨーク・フィルを指揮した録音ではこんな「シャウト」は入っていなかったはずなのに、その他の演奏では必ずこれが入っていたので、いつも不思議に思っていたのですよ。おそらく、楽譜には無いことを、誰かがやり始めたらそれが慣習になったのだろうと思ってました。同じバーンスタインも、1982年にLAフィルと録音した時のものには、ちゃんと入れていますからね。おそらく、そんなことがあったので、改訂の時にこのように直されていたのでしょう。
 それと、もうひとつ気になったのが、こんなコメントです。
c0039487_22002576.jpg
 これと、ここに登場するシド・ラミンのコメント(↓)とを合わせて読んでみると、この改訂に際して、この曲のオーケストレーションに関するクレジットが明記されるようになったのでは、という気にはなりませんか?
c0039487_22002516.jpg
 オリジナルの方では、1994年に出版された時に、下のようにきちんとシド・ラミンと、もうひとり、前回登場したアーウィン・コスタルがオーケストレーターとしてクレジットされていましたから、これと併せて、ということなのでしょうかね。改訂前のスコアは見ていないので何とも言えませんが、そこにはたぶんこの二人の名前はなかったのではないでしょうか。私も、「シンフォニック・ダンス」の方は、オリジナルからバーンスタイン自身がオーケストレーションをやり直したのだと、ずっと思っていましたからね。
c0039487_22002589.jpg
 でも、よく考えてみたら、バーンスタインのような超多忙だった人が、こんな手間暇のかかるオーケストレーションなどを自分でやっているわけはないのはすぐわかりそうなものですね。ネットでは「バーンスタインはこの二人の協力を得てオーケストレーションを行った」というような記述がよく見られますが、それは単なるクレジット上のことで、バーンスタインはただ指示を出しただけで、実際の作業はこの二人だけでやっていたはずです。「オーケストレーター」というのは、そういう仕事なのですから。
[PR]
by jurassic_oyaji | 2018-03-09 22:04 | 禁断 | Comments(0)