おやぢの部屋2
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2018年 07月 12日 ( 1 )
ノートルダムの鐘
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飯田達郎(カジモド)、芝清道(フロロー)、岡村美南(エスメラルダ)
清水大星(フィーバス)、阿部よしつぐ(クロパン)
劇団四季
WALT DISNEY RECORDS/AVCW-63192


「ノートルダムの鐘」というのは、今横浜で劇団四季が上演しているミュージカルのタイトルです。原作は、ヴィクトル・ユーゴーの「ノートルダム・ド・パリ(Notre-Dame de Paris)」ですね。ただ、かつて日本では広く使われていたこの小説のタイトルの、「ノートルダムのせむし男」という訳は、今ではほとんど姿を消したようですね。
ディズニーが1996年にこの物語を原作にしたアニメ映画を作り、後にディズニー・シアトリカル・プロダクションズ(DTP)がこのアニメを劇場用のミュージカルにした時は、いずれもオリジナルタイトルは「The Hunchback of Notre Dame」でした。「せむし男」ですよね、しかし、日本では映画もミュージカルも「ノートルダムの鐘」と変えられていましたね。やはり、各方面への忖度の結果だったのでしょう。
ただ、厳密なことを言うと、このミュージカルの最初のプロダクションが1999年にDTPによってベルリンで制作された時のタイトルは「Der Glöckner von Notre Dame」だったんですよね。「ノートルダムの鐘つき男」でしょうか。こちらの方が、単に「鐘」とするよりも物語の内容は正しく反映されているような気がしますけどね。劇団四季のミュージカルのプロモーションでは、さもその「鐘」が主人公であるかのようなことが言われていましたが、それはちょっと無理があるな、と感じてしまいます。
そのベルリンでのプロダクションは、3年というロングランは記録したものの、その後、例えばブロードウェイあたりに進出することはなく、それ以後の公演は行われませんでした。しかし、2011年になってDTPはオリジナルの作詞家、スティーヴン・シュワルツの息子の演出家、スコット・シュワルツに、再度のミュージカル化を依頼します。それを受けて2014年にサンディエゴで初演されたスコット・シュワルツによる「改訂版」は、アニメ版のイメージをほぼ忠実に再現したベルリンでの「初演版」からはかなりの変貌を遂げていたのです。
最大の違いは、新たに「クワイヤ(聖歌隊)」がくわいやった(加わった)ことでしょう。そのために、「Requiem」などで用いられているラテン語のテキストによる「聖歌」が新たに作られました。さらに、このクワイヤは、アニメ版(初演版も?)では登場するガーゴイル(石像)と同じ役割も担うようになっています。
劇団四季が2016年12月に四季劇場「秋」で日本初演したこのミュージカルには、もちろんこの「改訂版」が使われています。実際に翌年4月にこれを観たときには、冒頭に歌われるア・カペラの「聖歌」だけで、まず感動してしまいました。それほどのインパクトが、この改訂にはあったのです。まさか、ミュージカルでこんな荘厳な音楽が聴けるとは。
その、「秋」での公演をライブ録音したものが、このCDです。劇団四季ではメインキャストはダブル・キャスト、カジモドではトリプル・キャストが採られていましたが、ここではすべて最初に名前が挙げられている人たちが歌っています。音楽だけではなく、適宜セリフもそのまま入っているので、CD1枚分の尺でも、ストーリーはほぼカバーできています。
ミュージカルの場合の「ライブ録音」とはどういうものなのか、という興味があったので聴いてみたのですが、例えばオペラのライブ録音のようなものを期待していると、がっかりしてしまうことでしょう。もともと歌手たちの歌は顔に付けたピンマイクで収録しているのですが、それのクオリティがあまりにも低いのですよね。実際に劇場で聴いている分にはそれほど気にはならないのですが、それを音だけで聴くのは、ちょっと辛いものがあります。
これは、実際に観た公演の追体験としては絶好のアイテムでしょう。ですから、チケットはなかなか取れないでしょうが、ぜひ、まずは生で観て欲しいですね。

CD Artwork © Walt Disney Records

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by jurassic_oyaji | 2018-07-12 20:35 | オペラ | Comments(0)