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2018年 10月 06日 ( 1 )
DEBUSSY...et le jazz/Preludes for a quartet
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Jacky Terrason, Jean-Philippe Collard-Neven(Pf)
Vincent Perani(Acc), Franck Tortiller(Vib)
Jean- Louis Rassinfosse(Cb)
Quatuor Debussy
HARMONIA MUNDI/HMM 902308


今年は、ドビュッシーが亡くなって丸100年目なのだそうです。「101回忌」ですね。ということで、あちこちでドビュッシー関連のイベントやコンサート、さらにはCDのリリースがあるようですが、なんだか「バーンスタイン生誕100年」ほどは盛り上がっていないと思えるのは、気のせいでしょうか。
おフランスのレーベル、HARMONIA MUNDIからも、自国の作曲家ということでこんなアール・デコ風のジャケットで統一された新録音のアルバムが何枚かリリースされています。そんな中で、「ドビュッシーとジャズ」というタイトルのちょっと毛色の変わったものを1枚。
ここでのメインのアーティストは、その名もドビュッシー弦楽四重奏団という、1990年に創設されたアンサンブルです。このサイトでも、以前こちらのモーツァルトの「レクイエム」のリヒテンタール版で聴いたことがありました。それは2008年の録音なのですが、今回そのちょうど10年後にこのアルバムを作った時には、メンバー4人のうちの2人までが別の人になっていました。それはセカンド・ヴァイオリンとチェロの人なのですが、そのチェロの前任者、アラン・ブルニエという人は2005年に加入していますから、今の人は少なくとも3人目のメンバーとなります。弦楽四重奏団というとメンバーは殆ど変らないという勝手なイメージがありますが、ここはそうではないようですね。
そんな、古いメンバーの名前を持ち出したのは、このアルバムではドビュッシーのピアノ曲「前奏曲集」の中から有名な曲を弦楽四重奏をベースにした編曲で演奏しているのですが、その編曲者としてこの方の名前があったものですから。
つまり、タイトルでは「ジャズ」と謳ってはいるものの、全10曲のうちの半分の5曲はジャズ的な要素が全く見られない、原曲を忠実に弦楽四重奏用に編曲したものなのです。それを行っている人のクレジットとして、現在のメンバーとブルニエの名前が挙げられているのですね。ということは、その楽譜は彼が在籍していたころに作られたものなのでしょうから、ここで演奏されているその5曲は、別に今回のために特別に作られたものではなく、彼らのレパートリーとして普通に演奏されてきているものだったのでしょうね。確かに、サブタイトルは「四重奏のための前奏曲集」でした。
ですから、これはあくまでクラシック・ファンのために作られたもの、まずはオリジナルを聴いてもらった後に、ジャズ・ミュージシャンが加わってその対比を味わってもらう、というようなコンセプトなのでしょう。
例えば、ヴィブラフォンのフランク・トルティエが加わった「交代する三度」(第2巻11曲目)などでは、構成はほとんど変わらない中でのトルティエのアドリブ・ソロが楽しめます。
ただ、ピアニストのジャン=フィリップ・コラール=ネヴェン(あのジャン=フィリップ・コラールとは別人)とベーシストのジャン=ルイ・ラシンフォッセが加わった「沈める寺」(第1巻10曲目)は、ドビュッシー弦楽四重奏団のヴァイオリン奏者がいかにもな型通りのソロを聴かせたりして、冗長な印象は免れません。
ですから、この中で心から楽しめたのは、アコーディオンのヴァンサン・ペラニが加わって、「ジャズ」とはちょっと違う不思議なサウンドを醸し出していた「亜麻色の髪の乙女」(第1巻8曲目)と「風変わりなラヴィーヌ将軍」(第2巻6曲目)のメドレーと、ジャッキー・テラソンのピアノが加わったこの中では最長の演奏時間の「Bussi's blues」という粋なタイトルのピースです。もちろん、「Bussi」というのはお侍さんではなく(それは「武士」)ドビュッシーを親しみを込めて呼んだ名前なのでしょうね。
そのテラソンだけは録音も別のスタジオで、ピアノの音が全然別物でした。もしかしたらプリペアされていたのかもしれません。編曲は、ドビュッシーのみならず、ラヴェルの「亡き王女のためのパヴァーヌ」の断片まで現れるというぶっ飛んだものです。

CD Artwork © harmonia mundi musique s.a.s.

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by jurassic_oyaji | 2018-10-06 20:16 | ポップス | Comments(0)