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2018年 10月 13日 ( 1 )
BERLIOZ/Grande Messe des Morts
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Bror Magnus Tødenes(Ten)
Edward Gardner/
4 Choirs, Eikanger-Bjørsvik Musikklang
Musicians from Bergen Philharmonic Youth Orch. and Crescendo
Bergen Philharmonic Orchestra
CHANDOS/CHSA 5219(hybrid SACD)


ベルリオーズのいわゆる「レクイエム」(正式には「死者のための大ミサ」)は、なんたってその楽器編成の凄さが抜きんでています。さらに、それぞれの楽器や合唱の人数などはその何倍にも増幅しても構わないと、スコアでは指示されていますからね。そして、この作品にはたった一人のソリストが「Sanctus」にのみ登場するのですが、それは「10人のテノール歌手がユニゾンで歌っても構わない」とまで書かれていますからね。
もちろん、現在コンサートで演奏する時には、そこまで膨らませた人数で演奏することはまずありませんが、ティンパニ奏者だけは最低でも10人必要とされています。さらに、コルネット、トランペット、トロンボーン、チューバ(自筆稿では「オフィクレイド」)によるバンダが4組用意されて、それぞれオーケストラと合唱がいる場所から離れた会場内の4ヵ所に配置される、という点だけは譲れませんから、金管楽器奏者も間違いなく大量に必要になってきます。
ですから、ステージ上のオーケストラの金管セクションはホルンだけ、ということになりますが、曲によってはバンダの出番がない時にそこに他の金管が加わることもあるので、何人かのプレーヤーはその時には移動してくるのでしょう。実際、今回のSACDのブックレットに載っているライブ録音の写真を見ると、金管のスペースだけ空いていることが分かります。
それと同じように、なんと合唱までが「移動」している写真がそのブックレットにありました。
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その他の写真では、合唱は普通にオーケストラの後ろにいますから、何かの曲の時だけこんな風にステージの最前面に来て歌っていたのでしょうね。楽譜ではこんな指定はしていないはず。
ですから、それがいったい何の曲だったのかを知りたいとは思いませんか?さいわい、このアルバムはSACDのマルチチャンネルが聴けるものですから、サラウンドで再生してみると、なんとなく合唱が前にいるのではないか、という音場が感じられるところが見つかりました。それは6曲目の「Lacrimosa」です。この曲にはバンダが出てきますから、オーケストラの金管がホルン以外はいないのも、それの裏付けにはなるでしょうか。さらに、この前の曲の「Quaerens me」は合唱だけのア・カペラで歌われますから、もしかしたらその時にすでにこの位置に移動していたのかもしれません。
そんな、一味違う演出を取り入れたのは、アンドリュー・リットンの後を継いで2015年からこのベルゲン・フィルの首席指揮者を務めているエドワード・ガードナーです。彼はこのCHANDOSレーベルに、このオーケストラとともにシェーンベルクの「グレの歌」も録音していますから、このような大編成の曲はお手の物なのでしょう。
このコンサートが行われた会場は、ベルゲンにある「グリーグ・ホール」というコンサートホールです。キャパは1500人ですが、ワンフロアなので客席の面積はかなり広くなっています。ステージも、オケ・ピットに相当する部分まで広げて、指揮者の後ろに広い空間を設けていますから、そこにさっきのように合唱が全員(150人程度)立つことが出来ます。
さらに、普通に合唱が立つ場所を作るために、後ろの反響版が下げてあり、横の反響版との間に隙間が出来るのでそこに2つのバンダが入ります。もう2つのバンダは、客席の真ん中を横切る通路の壁際にセットされています。これで、聴衆のほぼ半数は、完全なサラウンドを体験できることになります。
それと同じものを、このSACDでもしっかり味わえます。「Dies irae」や「Lacrimosa」でのスペクタクルな音場を知ってしまうと、もう普通のステレオでは物足りなくなってしまうことでしょう。
合唱は「エドヴァルド・グリーグ合唱団」など全部で4つの団体の集まりですが、なかなかまとまった声で楽しめます。とくに、頻繁に出てくる男声だけの部分が、とてもスマートに聴こえるのは、かなりのハイ・トーンを楽々と出しているからなのでしょう。

SACD Artwork © Chandos Record Ltd

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by jurassic_oyaji | 2018-10-13 21:08 | 合唱 | Comments(0)