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2018年 11月 03日 ( 1 )
POULENC/Piano Concerto, Organ Concerto Stabat Mater
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Alexandre Tharaud(Pf), James O'Donnell(Org)
Kate Royal(Sop)
Yannick N
ézet-Séguin/
London Philharmonic Orchestra and Choir
LPO/LPO-0108


ロンドン・フィルの自主レーベル「LPO」の新譜ですが、ここのCDの品番は完全なシリアル・ナンバーになっているので、今回はその「108枚目」であることが分かります。このレーベルが創設されたのは2005年ですので、19年目で108枚ということは年間5~6枚のリリースとなるのでしょうか。同じロンドンのオーケストラ、ロンドン交響楽団などに比べると、量でも質(SACDやBD-Aでのリリースはありません)でも見劣りしますが、まあ、少ないながらも着実な歩みとは言えるでしょう。シカゴ交響楽団などは、最近はとんと新譜を見かけませんからね。
ただ、「新譜」とは言っても「新録音」はめったに出さないのが、このレーベルです。今回は、2008年から2014年までの間にこのオーケストラの首席客演指揮者を務めていたネゼ=セガンが、2013年と2014年に行ったコンサートのライブ録音です。全てプーランクの作品で、2013年10月23日の「ピアノ協奏曲」と「スターバト・マーテル」、2014年3月26日の「オルガンとティンパニのための協奏曲」と、2回分の曲目が収録されているので、全部で3曲、結構聴きごたえのあるアルバムになっています。
まず、「ピアノ協奏曲」は、日本人にとっては親しみやすい名前のフランスのピアニスト、アレクサンドル・タロー(太郎)がソリストです。個人的には、この曲は殆ど聴いたことがなかったので、とても新鮮な気持ちで臨めました。
プーランクは、メロディを作ることにかけてはとても秀でたものがあったのではないでしょうか。それは、どんなものでも彼ならではのテイストを持っていて、とてもキャッチーなのにちょっとひねったところがあるという、いかにもフランス的なスマートなものです。ですから、この曲の第1楽章でまず登場するテーマが、およそ「クラシック」らしからぬメロディによって作られていても、驚くことはありません。実際、それはほとんど「フレンチ・ポップス」、いや、ひょっとしたら日本の「昭和歌謡」にそのまま使われても何の違和感もないものです。
その後に、新しいテーマとして出てくるのが、今度はバロックのようなテイストを持ったものでした。これもさらにエレガントに展開され、ピアノのカデンツァの後はコラールのような荘厳なテーマも現れるという、なんとも贅沢なメロディの応酬です。
第2楽章のテーマも、とても親しみが感じられるのは、どことなく「ジェットストリーム」のテーマ曲、「Mr. Lonely」(ボビー・ヴィントンのヒット曲で、レターメンなどのカバーでも知られています)に似たところがあるからでしょう。
第3楽章は、ほとんどモーツァルトのパロディのような音楽ですね。実際、そのモーツァルトのピアノソナタととてもよく似たテーマも頻繁に現れます。
タローのピアノはそんな軽やかなフレーズたちを縦横に操って、オーケストラの間を軽やかに走り抜けているという感じ、これは、まるで上品で甘さを抑えたスウィーツのような演奏です。
「オルガンとティンパニのための協奏曲」は、今までに多くの演奏に接してきました。というか、これは実際はこちらで聴いていたものと同じ音源です。ここでは合唱指揮者としても広く知られているジェームズ・オドネルがとても真摯なアプローチに務めているようです。そんな端正な演奏からは、この曲が過去のオルガンのための作品からのエキスをしっかり取り入れていることを感じることが出来ます。特に顕著にその影響が見られるのは、もちろんバッハと、そしてサン=サーンスでしょうか。
最後の「スターバト・マーテル」では、やはり「プーランク節」が満載で、彼の親しみやすいテーマを存分に味わうことができます。それを、このオーケストラの合唱団はとても落ち着いた音色で聴かせてくれます。特に、時折ア・カペラで歌われるところは、絶品です。

CD Artwork © London Philharmonic Orchestra Ltd

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by jurassic_oyaji | 2018-11-03 20:32 | 合唱 | Comments(0)