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カテゴリ:未分類( 65 )
BERIO/Rendering, SCHUBERT/Symphony No.9(8)
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Christoph König/
Solistes Européens, Luxembourg
RUBICON/RCD 1025



ベートーヴェンの「エロイカ」などを演奏していたこちらの、ケーニッヒ率いるソリスツ・ヨーロピアンズ・ルクセンブルク(SEL)のファースト・アルバムに続く今回は、シューベルトのアルバムでした。とは言っても、ベートーヴェンではびっくりするような曲をカップリングさせていたので、シューベルトでももちろん普通に交響曲だけを並べるような真似はしていませんでした。
ここで持ってきたのは、シューベルトの最後の交響曲である「交響曲第8番ハ長調」、いわゆる「ザ・グレイト」です。ただ、このCDでは相変わらず業界の掟に従って「9番」という表記になっているのは困ったものです。
そして、もう1曲の「シューベルトの交響曲」は、作曲家が最晩年に作り始めたものの、完成をみずに亡くなってしまったために、その断片的なスケッチだけが残された「最後の未完の交響曲」です。これには「D936a」というドイッチュ番号も与えられています。
この曲は、これまでにペーター・ギュルケ、ブライアン・ニューボールド、ピエール・バルトロメーなどの手によって修復作業が行われ、「完成された」交響曲として聴くことができるようにはなっていました。
2003年に亡くなった、イタリアの現代作曲家ルチアーノ・ベリオも、やはりこの曲を「修復」したものを1989年に完成させています。しかし、その作業は、それまでのものとは決定的に異なるコンセプトによって行われました。ニューボールドたちが行ったのは、残された素材をもとに、「シューベルトが生きていれば、おそらくこのように作っただろう」と「想像」して、整合性のある形に仕上げることでした。ですから、シューベルトが「作っていない」部分は、極力シューベルトの様式と個性に忠実に仕上げるような努力がなされていたのでしょう。
しかし、ベリオはそんな面倒くさいことには、最初から興味はなかったのでしょうね。彼は、例えば描かれてから何百年も経ってあちこち剥げ落ちたフレスコ画を修復する時に、あえてそのなくなってしまった部分には手を付けないでそのままにしておくというようなやり方をとりました。ただ、絵画でしたらそのなくなった部分は白い漆喰などで置き換えられるでしょうが、時間芸術である音楽ではそのような「空白」を作ることは不可能ですので、その部分はベリオ自身の音楽で埋めるということになります。
ですから、それは結果的には「修復」でもなんでもなく、現代芸術にはよく見られる「コラージュ」、あるいは、「サンプリング」という手法で自作を完成させた、ということになってしまいました。そんなべリオの思いは、「レンダリング」という、多くのデータから新しい画像などを創出するという意味のコンピュータ用語をタイトルに使ったことでも、明らかです。
さらに、ベリオはどこまでがシューベルトで、どこからがベリオなのかがすぐ分かるような仕掛けも施していました。ベリオのパーツでは、シューベルトの時代にはまだこの世になかった楽器、チェレスタが使われています。つまり、彼はしっかり「ここからはおれが作ったんだぜ」ということを分かりやすい形で伝えているのですね。
そんなねじまがった作品を、ケーニッヒたちはいとも楽しく演奏しているようでした。そこからは、シューベルトの魅力も、ベリオの魅力もしっかりと伝わってきます。
そして、純粋にシューベルトの作品である「ザ・グレイト」からは、今まで聴いてきたこの曲からはあまり感じることが出来なかった、とても風通しの良い音楽が聴こえてきました。それは、このオーケストラの持ち味であるそれぞれのプレーヤーの自発的な演奏がもたらしたものなのでしょう。ほんと、なんと1154小節もある終楽章が、いとも楽しげに聴こえるのには、嫉妬心さえ感じてしまいます。実際にこの曲を演奏した時には、それは苦役以外の何物でもありませんでしたからね。まるで囚人みたいでした(それは「服役」)。

CD Artwork © Rubicon Classics

by jurassic_oyaji | 2019-05-07 20:10 | Comments(0)
ブランチとガーデンガーデンに行ってきました
 Facebookではお知らせしてありますが、毎年この時期に行っていた「タケノコ掘りたいかい?」は、肝心のタケノコの生育が思わしくないために、ひとまず中止ということにしました。いや、それは「思わしくない」などというものですらなく、実際に確認できたタケノコは2本しかなかったのですからね。可能性としては、大幅に時期が遅くなっているだけで、あと1週間もすればいつもの年のようにたくさん出てくる、ということはないわけではありませんから、ひょっとして次の週末あたりにまたお声がけをするようになることはあるかもしれませんが、まあ、期待はしないで下さいね。
 一説では、今年の冬は雪が積もらなかったことが、この不作の原因となっているということです。たしかに、今年はいつになく雪が少なかったので、タケノコとしては「冬」が認識できず、春になっても成長できないでいるのかもしれませんね。
 それよりも、そういう連絡をしたときに、「本当においしいタケノコだったので、とても残念です」というコメントを何通もいただいたことが、とてもありがたがったですね。正直、私は毎年これだけを食べていて、他のタケノコを食べたことがなかったので、「おいしくない」タケノコがどんなものかも知らなかったのですよ。この行事自体も、伸び放題になったタケノコを放っておくと、竹藪自体が荒れて始末に負えないことを知っているので、毎年一人で掘っては捨てるという作業をしていたものを、みんなの手を借りれば少しは楽になるかな、と思って始めたことでしたから、実際はタケノコなんてどうでもよかったんですよ。
 そんな、最初は2~3人で始めたことが、いつの間にか40人以上集まって、毎年楽しみにしていただける立派な「行事」にまでなってしまったことに、正直驚いているところです。来年にはまたちゃんとできるはずですから、その時はまたよろしくお願いします。
 連休中にアップしたこの前の定期演奏会の写真には、アクセスカウンターが設置してありますから、何人の人が見に来たかが分かります。現在のアクセス数は「37」となっていますから、2日間でそれだけの人のアクセスがあったことになります。このカウンターは同じ人が何回アクセスしても、24時間経たないと新たにカウントされることはありませんから、これは実数に近い数です。こちらも、見に来ていただいてありがとうございました。
 私は、前半の連休の初日に行った本屋さんに、また行って細かいところをチェックしてきました。あの時に感心したインテリアの洋書は、うすうす気づいてはいましたが、きちんと見てみると本物ではなくただの箱でしたね。背表紙のところだけタイトルらしいものが印刷されているようでした。それが、ほんの数種類のものが見事に同じ順番で繰り返し並んでいるだけなのですから、かなりがっかりです。まあ、それらしい雰囲気は出していますが、もう少し精度の高いところを目指してほしかったものです。
 肝心の品ぞろえも、特に珍しいものがあるというわけではなく、ごく普通の本屋さんと変わりません。音楽関係の専門書などは本当に寂しいラインナップでしたし。
 ただ、一つだけ、他の「普通の本屋さん」とは決定的に違っているところがありました。それは、文庫本の並べ方です。ここでは、ほとんどの文庫本が、「著者別」に並んでいるのですよ。それは当たり前だろうといわれるかもしれませんが、実際は文庫本の棚は「出版社別」になっていることが普通なんです。ですから、著者の名前とタイトルしかわからないものを探そうとすると、それぞれの出版社の棚を全部チェックしなければいけないんですよ。それを、ここではきちんと同じ著者の作品がひと固まりになっているのですから、とても便利です。
 そうなると、その棚を順に見ていくだけで、今どの作家がたくさんの本を出しているのかが、よく分かります。東野圭吾なんかは、1つの棚の表と裏につながっていましたね。ですから、かつては夢中になって集めていた清水儀範などはもう数冊しかなくなっているのを見て、ちょっと悲しくなりました。この人は、もう作家はやめてしまったのでしょうね。
 後は、毎年この時期には必ず行っていた花屋さんにも行ってきました。もう、広い駐車場がほぼ満車、相変わらずの賑わいです。しっかり、こんな便乗商品もありましたね。
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 こんな風に「串」に刺すには適当な字面なんですね(また、抗議のコメントが来るだろうな)。
by jurassic_oyaji | 2019-05-05 21:37 | Comments(0)
Leonard Bernstein's Concert for Peace/HAYDN/Mass in Time of War
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Patricia Wells(Sop), Gwendolyn Killebrew(Alt)
Alan Titus(Bar), Michael Devlin(Bas)
Leonard Bernstein/
The Norman Scribner Choir, Orchestra
DUTTON/CDLX 7346(hybrid SACD)



1973年1月19日にワシントン大聖堂で開催された「バーンスタインの平和のためのコンサート」の、サラウンドSACDでの復刻です。
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このコンサートは入場無料、一応このような整理券は用意されていたようで、これを持っている人は番号順に並んで大聖堂の中の好きな席に座れたのでしょうね。大聖堂に入りきれなかった人たちは、雨が降る中を外に設置されたスピーカーでこの演奏を聴いていたのだそうです。そんな人は15,000人もいたというのですから、すごいですね。
そこで演奏されていたのは、ハイドンが1796年に作った「戦時のミサ」(Hob. XXII-9)でした。苦そうなタイトルですね(それは「煎じ薬飲みな」)。当時のナポレオンのオーストリア侵攻など、なにかと世の中が穏やかではなかったという状況を背景に作られたもので、それを表すためなのかミサ曲にしては珍しくティンパニが派手に活躍しています。そんなことから「パウケン・ミサ」とも呼ばれていますが、もちろんそこには政治的な意味は全くなく、ちょっと勇ましいテイストを曲の中に織り込んだ、といった程度のものなのでしょう。
それを、バーンスタインは「平和のためのミサ」と読み替えました。その頃のアメリカ国民はベトナム戦争への介入で疲弊していました。参戦当初こそは「自由主義陣営を守る正義の戦い」と信じていた国民も、やがてその欺瞞に気づき始めていたのですね。そんな時に再選されたニクソン大統領の就任式(同じ日に同じワシントンのケネディ・センターでオーマンディ指揮のフィラデルフィア管弦楽団による就任記念コンサートがありました)に対抗するかのように開催されたこのコンサートには、明らかに時の政権に対するプロテストの意味が込められていたのでした。
ここで集められたソリストの中では、バリトンのアラン・タイタスしか知った名前はありません。この人は、この2年前のバーンスタイン自身の「ミサ」の初演の時のソリストを務めた人ですね。
そして、合唱団は、ここで合唱指揮を担当しているノーマン・シュリブナーが集めた125人の「ボランティア」たちです。さらに、肝心のオーケストラですが、初出のアルバムのクレジットではただ「管弦楽団」とだけしか記されてはいませんでしたし、このSACDでもその表記になっています。最近のSONYのリイシューCDでは、「ニューヨーク・フィル」となっているものもありますが、それは完全な誤り、この「管弦楽団」の正体はワシントンのナショナル交響楽団のメンバーが主体となっていたオーケストラです。おそらく、中にはそれこそ「ボランティア」で参加したメンバーもいたかもしれませんが、いずれにしてもニューヨーク・フィルでないことだけは間違いありません。おそらく、このオーケストラの所属レーベルとの関係で、このようなクレジットになっていたのでしょう。
さらに、この録音はこのコンサートの時のライブ録音ではなく、同じメンバー、同じ会場でコンサートの翌日の1月20日に行われたセッション録音です。何しろこれは「4チャンネル」のための録音でしたから、「商品」にするためにはライブではリスクが多すぎたのでしょう。というか、当時はそんな贅沢なことができるほど、クラシック・レコードの需要があったのですね。
演奏については、みんな頑張っているな、という感じ。特に合唱は、明らかに熱意に技術が伴っていないという気がしますが、気持ちだけはしっかり伝わってきます。面白いのは、サラウンドではその合唱がリアから聴こえてくることです。録音の時には、合唱は指揮者の後ろにいたのでしょうか。
SACDのためのボーナス・トラックは、同じ頃ニューヨークのスタジオで、こちらはしっかりニューヨーク・フィルと録音されたハイドンの「交響曲第96番(奇跡)」です。こちらもオリジナルが4チャンネルですが、オーケストラはサイドからフロント一杯に広がっています。音のクオリティも、こちらの方が格段の高さです。

SACD Artwork © Vocalion Ltd

by jurassic_oyaji | 2019-04-18 20:33 | Comments(0)
ウェーバーがこのメロディを使いました
 ニューフィルの定期演奏会の本番まであと2週間となりました。このタイミングで、「Kappo」という雑誌が私の元に届きました。
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 別に定期購読しているわけではなく、「見本」として送ってくれたものです。買えば700円ぐらいします。この雑誌は、「プレスアート」というところから発行されているのですが、そこが出しているもう一つのタウン誌「S-style」の編集部に演奏会の企画書と一緒に招待券を送ったら、こちらにその案内を掲載してくれたので、その実物を送ってくれたのですね。たまには毛色を変えようとこちらに回してくれたのでしょう。ありがたいことです。
 その記事は、こういうのです。
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 中の説明文は、私の企画書をもとに、編集の方が作ってくれました。ゲラを送ってくれて、訂正箇所がないか確認してくれと言われたのですが、私でも書けないような素晴らしい文章だったので、一切訂正は行いませんでしたよ。
 ここと、前回は一式送ったのに掲載してくれなかった「りらく」でも、ちゃんと案内を載せてくれていました。
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 ここは掲載紙を送ってきたことはありませんから、本屋さんで立ち読みしたら、確かにチラシの画像は載ってましたが、コメントは一切ありませんでしたね。まあいいんです。載せてくれさえすれば。
 演奏会に関しては、これでもう私がやることはほぼ終わって、あとは本番に向けてきっちりコンディションを整えることしかないのですが、その前に「かいほうげん」をもう1回発行すると言ってしまったので、ちょっと焦っているところです。まあ、今回は大口の投稿が期待できるので私はあまり作らなくてもいいのですが、やはり1つぐらいはないとちょっと足らなくなりそうなので、ネット中を探し回って、やっと目的のこんな画像を入手しました。
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 これは、ジャン・ジャック・ルソーが書いた「Dictionnaire de musique(音楽辞典)」の最後についている楽譜集です。この左上の楽譜が欲しかったのですよ。これさえあれば、次の定期演奏会の中の曲目に関するトークが、一つ作れますからね。分かりますよね、このメロディ。
 もう一つ、この号のメインとなるのが、来年の春の定期演奏会に初めてニューフィルと共演が決まった指揮者さんの紹介です。これは、写真とプロフィールがこの方の公式サイトにあったので、そのまま使えます。ただ、そのサイトには、「使用をご希望の方は必ずこちらまでご連絡ください。」とメールフォームが指定されていたので、めんどーくせーな、と思いながら連絡をしてみました。今まで、他の指揮者でそんなことをしたことはありませんでしたからね。そうしたら、瞬時に「お問い合わせありがとうございます」という返事が届きました。」そこには「確認出来次第、こちらからご連絡を差し上げます」となっていました。まるで通販サイトみたいに、これは自動送信されているのでしょうね。指揮者さんもそういうことをやる時代になったんですね。
 でも、それから30分もしないうちに、ご本人から「どうぞお使いになってください」という丁寧なメールが届きました。これで、こちらの準備もほば整いました。
by jurassic_oyaji | 2019-04-05 21:57 | Comments(0)
Doppler Discoveries
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András Adorján, Emmanuel Pahud(Fl)
Jan Philip Schlze(Pf)
Arcis Hornquartett
FARAO/B 108104



このジャケットにはビックリさせられますね。これは、ブックレットにも掲載されている有名なドップラー兄弟のポートレート(↓)を忠実に真似たもの・・・だと最初は思いました。
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しかし、よくよく見てみると、これは元の写真の顔の部分だけを、ここで演奏しているパユとアドリアンの写真と差し替えているのですよ。ジャケットのサイズに合わせて、バックだけ横幅を広げているのが笑えますね。
それよりも、この「ドップラーの発見」というアルバムタイトルの方がとても気になります。なんせ最近CAPRICCIOから10枚にも及ぶ大量の全集がリリースされていて、その中には「世界初録音」がたくさんあったというのに、さらにそれ以上の「新発見」があるというのでしょうか。
たしかに、今回のアルバムではその「新録音」が4曲ある、とされていました。そして、それに関してはここで演奏しているアドリアンが、自身が執筆したライナーノーツの中で詳しく述べています。そもそも、このアドリアンという人はドップラーの研究では定評があって、1960年代から多くの作品を「発見」し、楽譜の出版や録音を行っていたぐらいですからね。エネルギッシュなんですね(それは「アドレナリン」)。
今回の「発見」の最大のサプライズは、「2つのフルートとピアノのためのソナタ Op.25」という作品でしょうね。ドップラー兄弟の兄の方のフランツは、作曲家としてオペラをはじめとして多くの作品を残していますが、「フルートソナタ」というタイトルの作品は聞いたことがありません。そもそも「Op.25」と言ったら、フルーティストのレパートリーとしては「ハンガリー田園幻想曲」に次いで演奏頻度の高いあの「アンダンテとロンド」の作品番号ではありませんか。
アドリアンによれば、そもそも「Op.25」としてフランツ・ドップラーが出版社に送った楽譜は、4つの楽章から成る立派な「ソナタ」だったのだそうです。それを、印刷される前に後半の2つの楽章だけの形で出版して欲しいという指示があり、それに従って印刷された楽譜が「アンダンテとロンド」だったのです。なぜそんなことになったのかはわからないのだそうですが、この部分が弟のカールの作ったものだったからというのが、アドリアンの見解です。
その「第1楽章」は、演奏時間が7分半という、堂々たる作品です。キャッチーなメロディが次々と現れて、とても魅力的、「第2楽章」はかなり激しいテイストのメヌエットですが、中間部のトリオは華麗です。とは言っても、すでに残りの2つの楽章で完結している印象がとても強いこの作品ですから、今更こんなものがくっついても「余計なもの」としか思えません。
「ハンガリー田園歌~2つのフルートとピアノための幻想曲」というのも、初めて音になった作品です。ここでは、有名な「ハンガリー田園幻想曲」の冒頭のテーマがそのまま聴こえてきます。こちらの方が先に作られていたのでしょうか。
もう一つの世界初録音は、1879年にフランツ・ヨーゼフ1世の銀婚式のために作られた音楽劇「祖国より」です。各地の民謡などを集めた楽しい曲ですが、もともとはピアノ用に編曲されていたものを、このアルバムでの伴奏者ジャン・フィリップ・シュルツェが2本のフルートとピアノのためにさらに編曲したものです。ですから、「初録音」は当たり前のことですね。
アドリアンとパユは、親子ほど年が離れているにもかかわらず、そのデュエットはとても息の合った素晴らしいものでした。アドリアンとしては、かつて自分が発見した「2つのフルートのための協奏曲」をERATOに録音した時の相手、父親ほど年上のランパルの姿を、反対側の視点でパユに感じていたのだそうです。というか、実際にそのERATO盤の裏ジャケットになっていたランパルとのツーショット写真をバックに、同じポーズでパユをランパルに見立てた写真が、ブックレットの最後を飾っていますからね。これはもちろん、ジャケットの「コスプレ」と呼応するものです。
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ERATO/STU 71039(↓)
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CD Artwork c Deutschlandradio/FARAO Classics

by jurassic_oyaji | 2019-03-26 20:39 | Comments(0)
2日目は朝一だったのでガラガラでした
 この間の、新田さんのオーケストラのクラウド・ファンディングは、なかなか好調な滑り出しを見せているのではないでしょうか。あのサイトを「かいほうげん」で紹介しようと思ってキャプチャーした時には達成率は25%だったものが、いまではもう38%にまでなっていますからね。じつは、その「かいほうげん」を印刷している時に、すでに急激に金額が増えていたので、そのリターンの内訳を見てみたら、あの、50万円でコンチェルトが演奏出来るという大口を申し込んだ人が1人いたのですね。これだけで10%アップしたことになりますね。これで、その枠はあと2人になってしまいましたよ。
 そんなのも載せた「かいほうげん」の印刷は、最初は何の問題もなかったのですが、10部ぐらい刷ったところでやはり前回のような縞模様が出てきたので、慌ててプリンターを止めて、付属のブラシでドラムを掃除してみました。そうしたら、ものの見事に消えてしまいましたよ。ちょっと心配だったので、少しずつ印刷してみたのですが、結局そのまま最後まできれいにできましたね。今回もサービスを呼ばずに、自分で調整できてしまいました。
 それを持っていくのが、きのうの指揮者練習でした。篠崎さんの予定の関係で、スタートが午後3時半となっていたので、まずはゆっくりと近所にその前の日に開店したばかりのスーパーに行ってみました。私の家のそば、歩いて行けるほどの近くには、ヨークベニマルがあって、ほぼ毎日そこで買い物をしています。その新しいお店は、それと同じところ。それが、バス停で4つか5つ先の坂の上に出来たのですよ。
 とは言っても、それは新しく作ったのではなく、そこに前からあったヤマザワが閉店したので、それをそのまま改装してヨークベニマルにした、というものでした。
 とりあえず、派手に開店セールをやるというこの新しいお店だけのチラシが入ってきたので、それをくまなくチェックした愚妻に連れられて行ってきましたよ。開店2日目なのに、初日のように大掛かりな動員がされていて、駐車場には係員が何十人もいましたし、少し早まった開店時間には、入り口には他の店舗からの応援の人たちがずらりと並んで、かごやカートを渡していましたね。その時点で、店舗前の駐車場はほぼ満車でした。
 お店の品ぞろえや配置は、今まで行っていたお店とほとんど変わりません。要は、開店セールでここだけで値引きされている品物がやたら多いので、うちのようにこれを目当てにやってきたお客さんが大半なのでしょう。お一人様2点限定というトイレットペーパーが、ありえないような値段だったので、買い終わったものを車に積んで、またレジに並ぶということを何回繰り返したことでしょう。
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 これが、かつてのヤマザワ。しかし、この立地はヨークベニマルだけではなく、周りには他のスーパーがゴロゴロしています。坂の手前にはウジエスーパー、ちょっと北に行ったところには宮城生協、その向かいにはイオンがありますからね。なんでそんなところに開店したのか、ちょっと不思議になりますね。現にヤマザワは閉店してしまいましたし、その坂の途中にあったオカザキというお店も、だいぶ前に閉めています。
 この新しいお店も、この開店セールが終わったらどうなってしまうのでしょうね。まあ、すぐ近くですからこれからその推移を見守っていけることでしょう。
 それから街に行ってお昼を食べ、家へ帰って荷物(トイレットペーパー)を置いて、練習会場の青年文化センターへ向かいます。それが1時半ごろ、もう会場はオープンしていますので、いくらでもウォーミングアップが出来そうです。
 ところが、そこの駐車場に行ったら満車の表示が出ていて、入り口に2台の車が待っていました。まあ、このぐらいだったらすぐに入れるだろうと、そのあとに並びます。そうすると、中からすぐ1台出てきたので、私は2番目となりました。この調子だったら、すぐ中に入れることでしょう。
 しかし、それからは、いくら待っても出てくる車はありません。とうとう、前の車が諦めてバックしていなくなってしまいましたよ。もうちょっと辛抱すればいいのにね、と思いましたね。でも、結局1時間待ち続けても、空車にはなりませんでした。これ以上待つとここの倍の料金のもう一つの駐車場にも入れなくなったりしたら遅刻してしまうので、やむなくそちらへ向かいました。そこも結構混んでいたので、これが正解だったようですね。まあ、料金が高いのは我慢しましょう。1200円ぐらいでしょうか。
 でも、練習が終わって精算したら、800円で済みました。何かの間違いかと思ったら、ここは最高料金の設定もあって、それが800円だったのですね。だったら、あんなに待たないで、すぐにここに来ていればよかったですね。空くまで待って入っても、同じぐらいの料金だったはずですからね。
by jurassic_oyaji | 2019-03-10 21:48 | Comments(0)
主部はすべて3小節単位になってます
 きのうは私の誕生日でした。最近はFacebookでほかの人の誕生日のお祝いメッセージなどはほとんど送っていないので、そろそろ罰が当たるのでは、と思っていましたが、まだまだ見放されてはいなかったようで、結構なコメントが寄せられました。どうもありがとうございました。ただ、一番目のコメントの返事を書いた時に、うっかり私の実年齢を入れてしまったので、なんだかそれに反応したようなコメントが後に続いたというのが、もしかしたら罰だったのかもしれませんね。
 そんな高齢になっても、いつもの仕事は滞りなく終わらせることができました。きのう発行予定だった「かいほうげん」は、もう月曜日には印刷が終わっていましたからね。プリンターはかなり使い込んだ、それこそ年季の入った機種なのですが、最近は別にトラブルは起こさずに、黙々と印刷作業を行ってくれています。今回も、もう色むらすらないとてもきれいな紙面が出来上がっていたので、安心して任せられます。
 と思っていたら、なんだか、あるページだけでトナーの汚れが目立つという、ちょっと不思議な現象が起こっていたのに気が付きました。
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 こんな風に、ほかのページは何の異常もないのに、4ページ目、つまり2枚目の表の印刷の時だけ、このような、おそらくドラムに付いたその前のトナーが除ききれなかったために起こる汚れが発生していたのです。なぜ、この場所だけなのかは不明ですが、最初は何の異常もなかったものが、10枚ぐらいでこのようになってきて、さらにひどくなる、という感じですね。でも、一度印刷を停止すると消えてしまい、また出てくる、という繰り返しです。仕方がないので、本当は全部まとめて印刷したかったのですが、それを10枚ごとに切って行うというやり方に変えました。こんな現象は、おそらくサービスの人を呼んでも再現できないはずですから、これはもう少し様子見です。たぶん、こんなのに当たった人はあまりいないはずでしょうし。
 あとは、一応私もなぜか担当に加わっている印刷物も、デザインの決定稿が出来たので、晴れて公開することができました。もう公式サイトやFacebookには出ていますが、こういうのです。
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 別に私がデザインしたわけではなく、私たちは出来てきたデザインに感想を述べて、よりよいものに仕上げる、という立場だったのですが、今回はその「感想」がかなり過激だったので、大幅に手直しをお願いすることになってしまいました。いわば「難産」だったんですよね。まあ、その結果、素晴らしいのが出来上がったので、まずは一安心です。こんなこともたまにはあります。
 練習の方は、「魔法使いの弟子」の3回目の合奏です。前曲は1回おきにしか合奏はやらないというスケジュールなので、なかなかやれません。それを、きのうはほぼ本番に近いテンポで押し切るという無謀なことをやっていたので、もうついていくのに精いっぱい、とても大変でした。でも、そのおかげで、今までのようにやみくもに自分のパートだけを練習していたのでは到底うまくいかないことがはっきり分かってきました。ほかのパートをきちんと聴いてそれに乗っていさえすれば、いずれは指も回ってくるのではないか、という気がします。
 つまり、今日になってスコアをきちんと見てみたら、木管が必死になって格闘しているところのまわりではいともシンプルなテーマが演奏されていて、それがきちんと3小節ずつに分けられていることが分かりました。そして、その時の木管も、きちんと3小節ごとにグルーピングが出来ていたのですよ。それに気が付いてしまうと、しっかりそのへんてこなフレーズたちに意味が見えてきました。というか、こんなことはもっと早い段階で気づくべきだったんですけどね。
 これで、次の合奏の時には、完璧に吹くことができるようになっていることでしょう。おそらく。
by jurassic_oyaji | 2019-01-23 21:56 | Comments(0)
Jurassic Award 2018
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年末恒例の「ジュラシック・アウォード」の発表です。この1年間に「おやぢの部屋」で聴いたものの中から、カテゴリー別に最も印象が深かったものを選ぶ、というものです。もちろん、審査員は私自身です。
昨年の末あたりから、今までは聴くことのできなかったサラウンドのソフトも聴くことができるようになりました。そのあたりも、今年の評価には影響を与えているはずです。
まずは、カテゴリーごとのアイテム数のランキングです。
第1位:合唱(今年47/昨年47)→
第2位:オーケストラ(35/33)→
第3位:フルート(18/18)→
第4位:オペラ(9/15)→
第4位:現代音楽(9/15)→
第6位:書籍(7/11)→
全て昨年と同じランキングですが、「オーケストラ」以外ではアイテム数が増えていないのが気になります。

■合唱部門
今年も、全く知らない作曲家や、全く聴いたことのない作品を手当たり次第に聴いてきましたが、なかなかこれというものには出会えませんでした。作品はなかなかのものなのに、演奏がいまいちで惜しいな、というものもありましたし。ですから、やはりよく知られた作品を新しいアプローチでまるで別の作品のように仕上げていた、クリスティの「ロ短調ミサ」あたりが、最も新鮮な感動を与えてくれました。
■オーケストラ部門
本当はクレンツィスのマーラーを挙げたかったのですが、あちらは某レコードアカデミー大賞受賞などという恥ずべきステイタスを獲得してしまったので、次点のバーンスタインのベートーヴェン交響曲全集で。これは、演奏も素晴らしいものですが、かつて4チャンネルとして録音されていたものを初めてBD-Aでサラウンド化したという、最新のフォーマットでのリイシューで、同じような試みの中では最も成功しているのではないでしょうか。これが大賞です。
■フルート部門
なんといっても、フルート界のレジェンド、ウィリアム・ベネットが78歳の時の録音が最高でしょう。彼のお弟子さんのローナ・マギーのソロ・アルバムも素敵でした。
■オペラ部門
これも、やはり昔の4チャンネルの録音をBD-Aで復活させたバーンスタインの「カルメン」を。このアイテムは以前にSACDでもサラウンド・バージョンが出ていたのですが、音のクオリティではやはりBD-Aの方が一歩抜きんでていました。
■現代音楽部門
シベリウスのひ孫という作曲家、というか、ロックバンドのベーシスト、ラウリ・ポラーの自作自演盤が、高い次元でジャンルの枠を超えた傑作でした。ここでは「現代音楽」の一つの進む道が、明確に開けていたはずです。
■書籍部門
やはり、「ベートーヴェン捏造」が秀逸でしたね。今まで学術レベルでは定説となっていたシンドラーの行状を、きわめて平明な(ちょっと度を越してる?)文体で綴ったというあたりが、勝因でしょう。それでも、「運命」や「テンペスト」といったタイトルや、「交響曲第8番の第2楽章はメトロノームを模倣している」といった俗説は、なくならないのでしょうね。

今年は、努めてサラウンドの音源を聴くようにしていたような気がします。「オーケストラ」でだけアイテムが増えていたのは、そのせいなのでしょう。まだ、配信データでサラウンド再生を行うには、かなりハードルが高いようですので、容易に高音質でサラウンド再生ができるBD-Aでのリリースが増えてほしいのですが、なかなかそうはいかないのがもどかしいですね。

by jurassic_oyaji | 2018-12-31 23:29 | Comments(2)
ジョナサン・ノット指揮の東京交響楽団
 一月半ほど前に、「東京にコンサートを聴きに行きたいが、その日がニューフィルの指揮者練習とぶつかる可能性がある」と書いていましたが、やっとこの時期の指揮者の予定が入ってきて、コンサートには全然かぶらないことが分かりました。だいぶ前から、7月はだめだとわかっていたようなのですが、それだったらもっと早く教えてくれたらいいのに。というのも、一般向けのチケットが発売されたのが今月の初めだったんですが、その時にはもうほとんど席はなくなっていましたからね。気が気じゃありませんでしたよ。指揮者の予定が決まるころには、もう空席はなくなってしまっているんじゃないかと思いましたね。なんたって、去年のメシアンでは、その日のうちに全席がなくなってしまいましたからね。
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 ですから、今日になって恐る恐る「ぴあ」を覗いてみて、まだ結構席が残っているのには一安心、すぐさま7月20日のサントリーホールと、翌日のミューザ川崎のチケットをゲットしましたよ。まだ先の話ですが、これで、心おきなくリゲティの「レクイエム」を楽しんでこれることになりました。「『レクイエム』を楽しむ」というのは、ちょっと変な言い方かもしれませんが。
 まあ、世の中にはほかの人から見たら「変」なことなんていっぱいありますから、そんなことは構いません。この間中私のFacebookで「友達限定」で公開していたこの写真も、そんな「変」なものでしたね。
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 これは、旧市街の北部にある、かつてはバス通りだった道沿いに、「一夜にして」現れた「変」な建物です。この周りには、古くからの民家や商店が立ち並んでいますが、それらは一様に時代からは見捨てられたようなそれこそ「昭和」のたたずまいを持ったものでした。そのど真ん中に、こんな、まるでテーマパークの中にあるような建物が出現したのですから、初めて見たときには信じられない思いでしたね。
 この写真を撮ったのは今月の22日でした。それで、その前はいったいどんな状態だったのかと思ってストリート・ビューを見てみたら、そこには今年の6月の写真がありました。
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 これでは、足場が組んであるので、別に何の変哲もない建物だと思うしかありませんね。ただ、なんだか奥行きが結構あるようなので、今日になって、改めてその写真を撮りに行ってきました。
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 ほぼ、ストリート・ビューと同じアングルで撮ったつもりですので、まあ全貌はわかるでしょうね。さっきの写真の時はまだ建物の前は工事中でしたが、もうほとんど舗装が完成していましたね。もう少しすれば、これが何のために作られたものなのかがはっきりすることでしょう。
 いや、別に何の意味もなく、単に、民家を発注した施主の趣味が反映されただけのものなのかもしれませんけどね。そうだとしても、これだけのインパクトで、付近の景観を一変させてしまったからには、それ相応のコンセプトを公表してほしいな、とは思いますね。私有地に好きなデザインで家を建てるのはその人の自由ですが、「景色」というものは世の中全ての人の所有物、「パブリック・ドメイン」なのですからね。
by jurassic_oyaji | 2018-12-28 22:27 | Comments(0)
「テヌート」だと終わった気がしません
 おとといからニューフィルでは春の定期演奏会へ向けての練習が始まったわけで、まずはメインの「幻想」を軽く流していましたね。実は、これは2回目の練習で、「第9」の練習が始まる前に、1回だけ通したことがあったのですね。その時から、練習指揮者はやたらとこの曲の表情記号にフランス語を使っていたのが気になっていました。なんか、指揮者が使っている楽譜には、イタリア語ではなくフランス語で、そんな記号が書いてあるみたいなのですね。
 でも、我々は一応「ベーレンライター版」と書いてあるパート譜を使って演奏しているので、それが最新のものだと思っていますから、そこにイタリア語で書いてあれば、それがスコアにも書いてあるはずなのにな、と、ちょっと不思議だったんですね。というより、ベーレンライター版のスコアもしっかり買ってあったのですが、音符の違いなどはチェックしていても、表情記号にはあまり構ってはいなかったのですよ。
 それで、そんなところを演奏しながらスコアを見てみると、確かにフランス語で書いてありました。もちろん、それは間違っていたのではなく、パート譜ではフランス語をイタリア語に「訳して」あったのですね。どちらの言葉でも言いたいことは一緒ですから、それで演奏する分には何の不自由もないのですよ。
 念のため、自筆稿はどうなっているのか見てみました。こんなのは、IMSLPで簡単に閲覧できますから、便利ですね。それには、もちろんフランス語で書いてありましたね。それで、印刷譜はどうなっているのか見てみると、そこにはブライトコプフの旧全集と、ベーレンライターの新全集の両方のスコアがありました。新全集ももう見られるようになっていたんですね。
 そこでは、旧全集がフランス語をイタリア語に直してありました。これが、最近まではそのまま使われていたのでしょうね。
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もちろん、新全集はきちんとフランス語に「戻して」ありました。
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 ただ、なぜか、旧全集は「練習番号」(1,2,3・・・)がつけられているのに、新全集では「練習記号」(A、B、C・・・)になっていますし、その場所も変わっています。
 つまり、この作品のスコアの場合、全く異なる場所に「番号」と「記号」がつけられている2種類の楽譜が存在しているのですよね。ですから、国内版だと、音友では「番号」が付いていますし、全音になると、ご丁寧に「番号」と「記号」が両方ともつけられているのですよ。
 これは、とても困ったことですね。何かの都合で別の版のスコアしかもっていない人同士がディスカッションするときは不便でしょうね。普通は、新しい校訂版ができたときには、以前の版と同じ番号なり記号なりをつける、というのは、ほぼ不文律のようになっていたのではないでしょうか。例えば、ベートーヴェンの交響曲であれほど騒がれたベーレンライター版ですら、その練習記号に関しては従来のものをしっかり踏襲していましたからね。あとは、ブルックナーのノヴァーク版も、ハース版と同じになっていますね。
 いや、ブルックナーの場合は、そもそも同じ版下を使っていて、違うところだけ書き換えているだけですから、そうせざるを得なかったのでしょうけどね。
 ですから、「幻想」のパート譜も、もしかしたら同じような事情があったのではないでしょうかね。今使っているパート譜には、「ベーレンライター版」と同時に「ブライトコプフ版」というクレジットもあるのです。つまり、ブライトコプフがベーレンライターのリプリント版を出しているということなのでしょう。ですから、ベーレンライターがスコアの校訂を終えてパート譜を作るときに、それまであったブライトコプフ版のパート譜をもとにして、必要なところだけ直していたのではないでしょうか。
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 だから、このパート譜を見ると、「番号」は消えていて、その代わりに「記号」が手書きで入っています。その時に、表情記号も別にフランス語に戻すこともないだろうと、イタリア語のままにしておいたのではないでしょうか。
 その流れで、曲の一番最後も自筆稿と新全集は「テヌート」という「文字」が書いてありますが、
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旧全集と、そしてそれをそのまま流用したパート譜には「フェルマータ」の記号が書かれています。
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 ですから、それを見た練習指揮者は、鬼の首を取ったように「ここは長く伸ばさないで音符通りに切ってください」という指示を出していましたね。
 しかし、間違いなく新全集を使って演奏しているはずの録音を聴いてみましたが、ガーディナーもラトルも、そしてノリントンも、この最後の音は延々と伸ばしていましたよ。つまり、旧全集で「tenu」が「フェルマータ」になっていたのは、しっかり意味があったのではないでしょうか。イタリア語の「tenuto」の意味は、「その状態で保持する」で、「fermata」の「止まる」という意味とかなり近いものがありますから、ベルリオーズの中ではこの2つのものは同じように感じられていたのではないか、と思うのですが、どうでしょうか。なんたって、「レ・シエクル」のロトの録音だって、ここはしっかり伸ばしているのですからね。
by jurassic_oyaji | 2018-12-21 22:17 | Comments(0)