人気ブログランキング |
おやぢの部屋2
jurassic.exblog.jp
ブログトップ
タグ:オルフ ( 1 ) タグの人気記事
ORFF/Carmina Burana
c0039487_20541116.jpg


Aida Garifullina(Sop), Toby Spence(Ten), Ludovic Tézier(Bar)
Long Yu/
Shanghai Spring Children's Choir
Wiener Singakademie(by Heinz Ferlesch)
DG/483 6594



去年、2018年はドイツ・グラモフォン(DG)の創設120周年だったそうです。それをお祝いして中国ではなんと紫禁城で野外コンサートが開かれました。演奏家は中国の音楽家がメインで、オーケストラはロン・ユー指揮の上海交響楽団、CDには入っていませんが、ピアノ協奏曲ではラン・ランがソロを弾いていました。
「120周年」ですから、このレコード会社が作られたのは1898年だったということになります。それをもって「世界最古のクラシックレーベル」と言っているようですが、それはどうなのでしょう。
この会社の前身は、その前の年、1897年にエミール・ベルリナーの平板レコードの特許を元にイギリスに作られた「グラモフォン・カンパニー(英グラモフォン)」が、ドイツのハノーファーに1898年7月に作った工場でした。それが、その年の12月6日に、「Deutsche Grammophon Gesellschaft(DGG)」という名前の独立した会社になります。しかし、ここは翌年には英グラモフォンに買収されてその子会社となってしまうのです。英グラモフォンは、後にやはりイギリスに1897年に出来た「コロムビア・フォノグラフ・カンパニー・ジェネラル(英コロムビア)」と合併してEMIとなりますから、このEMIの方が「最古」、いや、もっと言えばベルリナーのアメリカの会社もその後RCAになるのですから、さらに「最古」という気がするのですがね。今でも「レーベル」としては、RCAもEMI(ポップスのみ)も健在ですから。
つまり、そもそも「DGG」は、最初のころは「EMI」の一部だったのですよ。ロゴマークも、そのころは「レコーディング・エンジェル」、そして「ニッパー」ですからね。ただ、第一次世界大戦によって、その関係は断ち切られ、英コロムビアは大戦後の1925年には「エレクトローラGmbH」という別の会社をドイツに作ります。この時点でDGGは独自の道を歩み始めるのです。ですから、このあたりが、DGの本当のスタート地点ではないかと思うのですがね。その後1941年にDGGはシーメンスの傘下に入り、再スタートを切ります。そして、1948年になって、DGG(クラシック)、POLYDOR(ポピュラー)、ARCHIV(古楽)という3本柱の体制となるのです。
ということで、実質的にはまだ100年も経っていないレーベルが行ったこのコンサートは、紫禁城の前の広場に集まった何千人というお客さんの前で開催されました。ですから、至近距離で見られない聴衆のための巨大モニターはステージの左右に設けられましたし、もちろん音響もPAを大々的に使っていて、ほとんど生音は聞こえなかったことでしょう。
それを録音すると、腕の良いエンジニアだと普通のホールで録音されたような自然な音に仕上がるのでしょうが、ここではそのPAの音が、派手にエコーとして聴こえてくるという、とんでもない音に仕上がっていました。まあ「臨場感」はあるのでしょうが、やはりCDではこんな音は聴きたくはありません。
ロン・ユーの指揮ぶりはとても颯爽としていて、1曲目の「O Fortuna」では、イントロのフェルマータをほとんど伸ばさずに「semper crescis」に飛び込みます。そこに打ち込まれるバスドラムの東洋的な乾いた響きとも相まって、なにか「中国的」な色彩豊かな音楽が広がります。ですから、この曲の中に登場する5音階のテーマが、ことごとく中国のイディオムの様に聴こえてくるから、不思議です。
そのようなコンテクストの中では、ソプラノとテノールのあまりに堂々とした歌い方には、かなりの違和感が伴います。特にテノールの人はあまりにもマジメ、ここはいっそ、京劇あたりの素っ頓狂な声を出す人に歌わせれば、もっと盛り上がったのではないでしょうか。
いや、なんといっても盛り上がったのはアンコールの「茉莉花」でしょう。この、「トゥーランドット」で頻繁に登場する「♪山のお寺の@山田耕筰」というメロディで、聴衆が喜ばないはずがありませんから。
そういえば、ちょうど20年前には、この同じ場所でそのプッチーニのオペラが上演されたのでした。

CD Artwork © Deutsche Grammopon GmbH

by jurassic_oyaji | 2019-02-02 20:58 | 合唱 | Comments(0)