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BRUCKNER/Symphonie VII
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Rémy Ballot/
Altomonte Orchesrer St. Florian
GRAMOLA/99189(hybrid SACD)



ブルックナーの生地、オーストリアのリンツでは、毎年9月から10月にかけて、「ブルックナー音楽祭(Brucknerfest Linz)」というイベントが開催されています。これは1974年に、ブルックナーの生誕150周年を記念して創設されたものです。
ただ、今回のCDの案内にも、「ブルックナー音楽祭のライブ録音」とありますが、これが録音されたのは2018年の8月となっていますから、ちょっと時期が合いませんね。なぜでしょう。実は、その音楽祭の期間より前に開催される「Brucknertage」というもう一つの「ブルックナー音楽祭」があるのですよ。
この「Brucknertage」は正式には「St. Florianer Brucknertage」というもので、先ほどの「Brucknerfest Linz」とは全く別物です。こちらはブルックナーの没後100年に当たる1996年から始まったようですね。名前の通り、ザンクト・フローリアン修道院が中心になって開催されています。
そして、このSACDで演奏している「ザンクト・フローリアン・アルトモンテ管弦楽団」という1996年に創設されたオーケストラも、やはりその修道院と、このBrucknertageに深い関わりがあります。ちなみに、「アルトモンテ」というのは、この修道院の天井のフレスコ画を描いたバロック期の画家の親子の名前なのだそうです。絵の具の代わりにケチャップを使います(それは「デルモンテ」)。
2013年にこのオーケストラの首席客演指揮者に就任した人が、レミ・バローという1977年生まれのフランスの指揮者です 彼は元々ヴァイオリニストを目指していて、パリの高等音楽院を卒業しますが、16歳の時から3年間、パリで静養していたチェリビダッケの個人レッスンを受けることが出来たのだそうです。それは、チェリビダッケの最晩年になりますから、バローはほとんど「最後の弟子」となるわけですね。そこでは、最初は室内楽のレッスンでしたが、後には指揮者になることを勧められ、指揮者としてのレッスンも受けるようになったそうです。
そして、バローは2004年にはウィーンへ移り、ほどなくしてウィーン・フィルのメンバーとなり、さらには指揮者としても活躍することになるのです。
バローは、2013年からこのBrucknertageでブルックナーの交響曲を1曲ずつ演奏し、それを録音してCDをリリースしてきました。翌年からはフォーマットがSACDに変わり、サラウンド録音になっています。そのようにして、2017年までに5曲(3、5、6、8、9番)のリリースを終え、今回は7番がリリースされました。
まずは、その録音に注目です。この礼拝堂の豊かな残響をたっぷり取り入れたそのサウンドは、まさにサラウンド映えするものでした。オーケストラそのものの音像もとても立体感のある広がりを見せていますし、なんと言ってもその残響に包み込まれる感じがたまりません。特に、フォルテシモになった時の金管はその残響成分がまるでリアにバンダが設置されているのではないかと思えるほどに、しっかりとした存在感を持って聴こえてきます。木管だけのアンサンブルでも、増員はしていないのに、とてもくっきりと響き渡っています。
バローの指揮ぶりは、確かにチェリビダッケの影響が感じられる堂々としたテンポがベースになっているものでした。ただ、そんなテンポの割には重苦しさは全く感じられないのは、次のフレーズに入る時のタメがないせいでしょう。時には、まるでカラヤンのようにフライング気味に入ったりしますから、音楽が停滞することは決してありません。
ただ、ライブ録音で修正は一切行っていないようなので、アンサンブルの乱れなどは結構目立ちます。特に第3楽章あたりでは、疲れてきたこともあるのでしょうか、弦と金管がズレまくっていましたね。
それでも、ライブならではの熱気というか、緊張感は最後まで続いています。フィナーレの最後が、とてつもないクレッシェンドでいったいどうなってしまうのかと思っていると、いともあっさりと終わってしまったので、おそらくお客さんは唖然としていたのでしょう、拍手が始まるまでには20秒近くもボーッとしていた様子が、そのまま記録されています。

SACD Artwork © Gramola

by jurassic_oyaji | 2019-03-12 23:06 | オーケストラ | Comments(0)