人気ブログランキング |
おやぢの部屋2
jurassic.exblog.jp
ブログトップ
タグ:ボストン・ポップス ( 1 ) タグの人気記事
Greatest Hits of the '70s
c0039487_23245887.jpg




Arthur Fiedler/
Boston Pops
VOCALION/CDLK 4598(hybrid SACD)



DUTTON/VOCALIONのSONYの音源によるサラウンドSACD復刻シリーズ、今回はCOLUMBIAではなくRCAの原盤。今では一つの企業になってしまったので、このように同じレーベルからSACDがリリースされるようになっていますが、この2つのレーベルはかつては敵同士でした。昔のSPレコードから、長時間レコードに変わる時も、ステレオレコードが出来た時も、ことごとく競いあっていましたね。
当然「4チャンネル」時代でもライバル同士として対抗意識を燃やしていたのでしょうね。結果、COLUMBIAはSQ、RCAはCD4(QSも?)と、それぞれ全く互換性のない方式を採用することになったようです。それぞれの方式は日本のメーカーの技術がメインになっているのが面白いですね。
アーサー・フィードラーが指揮をしたボストン・ポップスは、このRCAレーベルの花形アーティストでした。なんと言っても、このコンビは1930年から1979年まで、ほぼ半世紀も続いていたというのですからすごいですね。これだけの長期政権を保った指揮者は、レニングラード・フィルの常任指揮者をやはり50年ほど務めていたムラヴィンスキーの他にはいないのではないでしょうか。
ということは、フィードラーはSPからLP、そしてステレオ録音を経て、最後にはこの4チャンネル録音も実践できたということになりますね。もしかしたら、実験的にデジタル録音もやっていたかもしれないので、まさにレコード史上の全てのフォーマットを体験していた稀有な指揮者ということになります。
今回のSACDは、1973年と1974年にリリースされた1970年代のヒットソングを集めた2枚のアルバム(Vol.1、Vol.2)を全て収録した「2 on 1」です。彼らが一体何枚のアルバムを出していたのかは分かりませんが、このように少なくとも年に1枚はコンスタントに当時のヒット曲を収録したアルバムがリリースされていたのでしょうね。
ただ、「ポップス」とは言っても実際に演奏しているのはクラシックのオーケストラですから、基本的に古典を録音する時と同じ姿勢が貫かれています。実際に録音会場もボストン交響楽団の本拠地のシンフォニーホールで、そこでは豊かなホールトーンをたっぷり取り込んだゴージャスなサウンドを楽しむことが出来ます。
そんなサウンドで最初に聴こえてきたのが、Vol.1の1曲目、テクノポップのはしりとも言える「ポップコーン」でした。典型的な「ピコピコ」のサウンドで、あの「電気グルーヴ」もカバーしていたぐらいなのですから、これをオーケストラで演奏するという発想がすごいですね。
もちろん、このメインテーマはピチカートで演奏されていました。しかし、そのバックにホルンの壮大なオブリガートが入ってくると、それは紛れもないオーケストラサウンドに変わります。中間部の流れるようなサブテーマも、今度はアルコのストリングスが華麗に迫ります。
さらに、Vol.2の1曲目、バリー・ホワイトの「愛のテーマ」も、この曲の必須の隠し味であるワウワウペダルによるギターのカッティングを、あくまで「オーケストラ」の楽器であるトランペットとスネアドラムで模倣させていましたね。そう、まさにボストン・ポップスとは「ポップス」を素材にして「オーケストラ」の魅力を存分に知らしめるというプロジェクトだったのです。そのためには、たとえミスマッチだと思われる素材でも果敢にオーケストラサウンドでねじ伏せる、というのがこのオーケストラの信条だったのでしょうね。
最近は、このオーケストラを耳にする機会があまりないような気がしますが、それはもはやそのような扱いに耐える誰でも知っている「素材」であるヒット曲がなくなってしまったからなのかもしれませんね。ほんと、今は隆盛を誇っているヒップホップなんて40年後にはどうなっているのでしょう。お尻の美容は大切なのに(それは「ヒップアップ」)。
サラウンドの音場設定は、まるで木管楽器セクションの真ん中に座ってオーケストラを聴いている感じ、なんかなじみのある聴こえ方で、リラックスできます。

SACD Artwork © Vocalion Ltd

by jurassic_oyaji | 2019-04-16 23:26 | ポップス | Comments(0)