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Love Story, Happy Sound of Ray Conniff
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Ray Coniff and the Singers
VOCALION/CDLK 8553(hybrid SACD)


このところ夢中になっているDUTTON/VOCALIONのサラウンドSACDですが、そのカタログにはなんと「レイ・コニフ・シンガーズ」のアルバムがありました。
このグループのリーダーのレイ・コニフはもともとはジャズのトロンボーン奏者でしたが、編曲の腕を見込まれて多くのバンドで編曲に携わっていました。それが、1955年にコロムビア・レコード(CBS)でA&Rとして活躍していたミッチ・ミラー(自身も男声合唱団を率いてアーティストとしても有名)の目に留まり、その年にシングル・レコードをリリースすることになります。それは、ビッグバンドにコーラスが加わるという、それまでにはなかった画期的なスタイルで、スタンダード・ナンバーを演奏するというものでした。コーラスは歌詞は歌わず、楽器の一部としてホーン・セクションとユニゾンでスキャットを歌っていたのです。
これは大ヒット、翌年にはアルバムもリリースされ、結局レイ・コニフ自身が亡くなる2002年までに100枚以上のアルバムが制作されることになるのです。
そんなにたくさんのアルバムを作れたのは、演奏されていたのがオリジナルではなくほぼすべてがカバー曲だったためです。それは、初期にはスタンダード・ナンバーでしたが、やがて最新のヒット曲を直ちにカバーするようになり、それらはイージー・リスニングとして多くの人に支持されました。
その編曲は、あくまでもさわやかでハッピーなものでした。リズムもきっちり8ビートで統一され、コーラスはあくまでそのタイトなリズムの上で、適度にジャジーなシンコペーションやフェイクを加えたメロディを歌っています。それはバックのオケのホーンと見事にシンクロして、軽快なグルーヴを醸し出しています。
録音も、それこそ「ミッチ・ミラー合唱団」譲りのたっぷりエコーがかかったゴージャスな仕上がりです。ですから、1970年代にはこのレーベルの戦略だった「4チャンネル」の波に乗って、多くのアルバムがノーマルLPとクワドラフォニックLPの2種類のフォーマットでリリースされていたのも当然です。エンコードはもちろん「SQ」でしょうね。
ネットで検索したら、当時のCBSソニーがSQ4チャンネルのデモ用に作ったコンピレーションアルバムが見つかりました。その中に、このレイ・コニフのトラックもあったので、おそらく日本でも実際に4チャンネルのアルバムがリリースされていたのでしょう。
昨年から今年にかけて、DUTTON/VOCALIONからそのレイ・コニフの4チャンネルのアルバムが、マルチチャンネルSACDで何枚かリリースされました。アルバム自体はすでに多くのものがCD化されていて、それらは2枚のLPを1枚のCDに収録した「2 on 1」でした。ほとんどのアルバムは11曲ぐらい入って30分程度の収録時間ですから、CDなら余裕で2枚分は入ってしまいますからね。
今回も、カップリングは変わっていましたが、やはり「2 on 1」で、1971年に録音された「Love Story」と、1974年に録音された「Happy Sound of Ray Conniff」という2枚のアルバムが全て入っています。
いずれも、すでにCDで持っていたものですから簡単に比較できますが、その違いは歴然たるものでした。もちろん、コーラスはリアに定位していたり、時折フロントにも一部が残って掛け合いをするなどというサラウンドならではの魅力があるのは当たり前ですが、音自体がCDとは比べ物にならないほどクリアに変わっていたのです。
最初に彼らを聴いたのは、LPによってでした。その、特に外周付近のトラックは、とてもヌケが良くてスピーカーのセッティングのテストなどによく使っていたものでした。ところが、それがCDになった時には、なんとものっぺりとした音になってしまっていたので、がっかりした記憶があります。それが、今回のSACDではまさに最初のLPの音に戻っていたのですよ。
LP並のクオリティとサラウンド、もうすっかりCDが色あせて見えるようになってしまったので、残りの3枚のSACDも全部買ってしまいました。これは、かつてなかったほどの幸せな出来事です。

SACD Artwork © Vocalion Ltd

by jurassic_oyaji | 2019-02-28 21:33 | ポップス | Comments(0)